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背神倶楽部-菊姫病院の夢引槍-

Star★Frogの探索ホラーADV『背神倶楽部-菊姫病院の夢引槍-』を解説。

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概要

『背神倶楽部-菊姫病院の夢引槍-』は、同人サークル「Star★Frog」が2014年2月に発売した2D探索&謎解きホラーアドベンチャーです。舞台は星城女学院という女子校。「背神倶楽部」は、神話生物の関わる事件に首を突っ込む生徒たちの集まりで、廃墟愛好会の部員が廃病院「菊姫病院」で消息を絶ったことを受け、部員たちが救出に向かうことになります。行き先は、廃墟のはずなのに通電しているといういかにも怪しい病院。探索と謎解きを軸に進むホラーADVでありながら、イベントにはライトノベル的なサービスシーンも交じる、シリアス一辺倒ではない作風です。DLsiteでの評価は★4.0前後(2026年7月時点)。学園オカルトものの器にクトゥルフ的な神話生物を流し込んだ、同人ホラーらしい一本です。

クトゥルフ神話との関係

「神話生物の関わる事件に首を突っ込む部活」という設定そのものが、本作とクトゥルフ神話の関係を端的に示しています。これは、好奇心から禁断の領域を調査してしまうラヴクラフト的な探索者の営みを、日本の学園もの定番である「オカルト部活もの」の形式に翻訳したもので、クトゥルフ神話TRPGのセッション(探索者チームによる事件調査)を部活動として日常化した構図と見ることもできます。「背神」——神に背く——という倶楽部名も、人間の信仰の埒外にある存在を扱うことへの含みを感じさせる命名です。廃病院という舞台は、隔離された空間に異形が巣食うという神話ホラーの定番の器であり、電気の通った廃墟という導入の不穏さは、「表向き死んでいる場所で何かが活動している」というインスマウス以来の違和感の演出法を踏襲しています。

独自の要素・原典との違い

原典の探索者たちが真実を知って破滅していく孤独な大人であるのに対し、本作の主役は仲間と連れ立って怪異に踏み込む女子校生たちです。セーラー服の部員たちが軽口を交わしながら神話生物の領域へ立ち入っていくという取り合わせは、恐怖と学園コメディ的な明るさを同居させる2000年代以降の和製オカルトADVの文法で、コズミックホラーの重苦しさを間口の広いエンターテインメントに変換しています。サービスシーンを含むラノベ的なノリは好みが分かれるところですが、それも含めて「同人シーンがクトゥルフ神話をどう消化してきたか」の一断面といえます。救出という明確な目的があるため、調査の果てに絶望だけが待つ原典型の構成とは異なり、仲間を取り戻せるかどうかというサスペンスが探索の駆動力になっている点も、ゲームらしいアレンジです。

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