概要
グループSNE(法人名:株式会社グループSNE。会社概要ページの「会社名」欄では「株式会社グループエス・エヌ・イー」とカタカナ表記される[1])は、兵庫県神戸市中央区を拠点とする、ゲームに関わる創作・翻訳・執筆・企画を手がけるクリエイター集団である[1]。1987年10月1日設立、代表取締役は安田均[1]。『トレイル・オブ・クトゥルー』(原作:ケネス・ハイト)の日本語版『暗黒神話TRPG トレイル・オブ・クトゥルー改訂版』を2023年8月29日に発行しており、クトゥルフ神話に関心のある読者にとっては、この改訂版の発行元として名前を見る機会が多いはずである[3]。
本作品そのものの内容(GUMSHOEシステム、Pulp/Puristの2モード、Drivesの仕組みなど)は既存のトレイル・オブ・クトゥルー本体記事で扱っており、本稿では重複を避け、グループSNEという会社そのもの――沿革・代表作・事業内容・体制――に焦点を絞る。
沿革
グループSNEの「会社案内」ページは、創設の経緯を次のように記している。
グループSNEは1987年に創設された、ゲームに関わる創作・翻訳・執筆・企画など多岐にわたる活動を行うクリエイター集団です。安田均を中心に創設時より水野良、山本弘、清松みゆき、友野詳、北沢慶、加藤ヒロノリ、秋口ぎぐる、河野裕といった作家/ゲームデザイナーが所属し、多くのクリエイターを輩出して「ゲームの楽しさ、面白さ」を追求した作品を発表し続けています。[1]
活動の軸足は、設立当初から段階的に広がってきたと同ページは説明する。
創設時は主にロールプレイング・ゲーム(RPG)やコンピュータゲーム、そしてゲームに関わる小説、リプレイなどを、ついでトレーディング・カード・ゲーム(TCG)を、2013年からは自社によるボード/カードゲームの製造・販売で、新たにメーカーとしても活動の場を広げてきました。[1]
つまり、(1)RPG・コンピュータゲーム・小説/リプレイの制作、(2)TCGへの展開、(3)2013年以降の自社製造・販売によるボードゲームメーカー化、という3段階の広がりが公式に語られている沿革である。それ以前の詳細な年表(何年に何を発売したかの一覧)は、本サイトが参照した会社案内ページの範囲では示されていない。
なお、製品情報ページは、ホラーRPGシリーズ「ゴーストハンター」について「グループSNE創設年発売のコンピュータRPG『ラプラスの魔』から始まったホラーシリーズ」と紹介している[2]。すなわち、設立の1987年には早くもコンピュータRPGの発売実績があったことになるが、この『ラプラスの魔』というタイトル自体の内容・開発体制について、本サイトが参照した公式ページの範囲で確認できたのはこの一文にとどまる。
代表作・主要事業
会社案内ページは、代表作として次を挙げている。
代表作に『ロードス島戦記』『ソード・ワールドRPG』『モンスター・コレクションTCG』『ゴーストハンター(ラプラスの魔)』などのゲームデザイン・小説執筆がある。翻訳では『ガープス』『ドラゴンランス』シリーズ、『トンネルズ&トロールズ完全版』『アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版』などがある。2013年からはメーカーとして、ボード/カードゲーム(『テストプレイなんてしてないよ』『キャット&チョコレート』、マーダーミステリー)やアナログゲーム関連書籍(『ウォーロック・マガジン』『ゲームマスタリーマガジン』)の製造・販売も手がけている。[1]
製品情報ページでは、事業がより細かくカテゴリ分けされている。オリジナルTRPGとして「ソード・ワールド」(公式には「剣と魔法のファンタジー世界を舞台にした、グループSNEの看板RPG作品」と説明される)、30周年を機に再始動中の「ロードス島戦記RPG」、「捏造ミステリーTRPG 赤と黒」「ゴーストハンター」「禁書封印譚ブラインド・ミトス」「ダイス・オブ・ザ・デッド」を掲載[2]。翻訳/コラボレーション作品としては、「アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版」やファイティング・ファンタジー・コレクション各巻、「パグマイア」「マウ連合君主国」、「トンネルズ&トロールズ完全版」、「ゴブリンスレイヤーTRPG」、KADOKAWA公式サイトに案内が飛ぶ「DARK SOULS TRPG」「ELDEN RING TRPG」「TRPG ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」、そして本稿の主題と関わる「暗黒神話TRPGトレイル・オブ・クトゥルー」が並ぶ[2]。このほか、ゲームサポート誌「GMウォーロック」(旧ウォーロック・マガジン/ゲームマスタリーマガジン/TtTマガジンの後継)、六門世界(モンスター・コレクション)を中心としたTCG/ボードゲーム展開、「マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド」「八月のタイムマシン」などのSNEマダミスノベルズ、グリムトゥースのトラップブックシリーズなどのゲームデザイン解説書も手がけている[2]。
書籍カテゴリには、このほか『コボルドのボードゲームデザイン』『コボルドのRPGデザイン』、シティブックI~Vの各巻、『ウィルダーネス・エンカウンターズ』『マップブック』『あなたも脱出できる 脱出ゲームのすべて』『RPGトレジャーブック』が掲載されている[2]。また製品情報ページ冒頭の「ピックアップ」欄には、2026年9月時点の主力商品として「MYSTERY PARTY IN THE BOX」「マーダーミステリー・ミニ」「エントリーガイドBOX」「Asian Murder Mystery」「MYSTERY&ADVENTURE BOX」「卓上探偵団」「EXIT 脱出:ザ・ゲーム」「ESCALOGUE」「Qシャーロック」「テストプレイなんてしてないよ」「ブラックストーリーズ」などが並んでおり、マーダーミステリー・謎解き系ボードゲームが近年の事業の重心のひとつになっていることがうかがえる[2]。六門世界(モンスター・コレクション)については、公式サイトが「火水風土聖魔――六つの門に東西南北と天地を閉じられた大地、六門世界を舞台に、トレーディング・カードゲーム、ノベルシリーズ、TRPGなど、さまざまな展開を続ける人気作」と紹介している[2]。
主な事業内容は、会社案内ページに次のとおり列挙されている。
オリジナル・アナログゲーム(RPG、TCG、ボード/カードゲーム)のデザイン、シナリオ制作創作(ゲーム小説・オリジナル小説・リプレイ)翻訳(海外ゲーム・小説)コンピュータゲームの企画立案ボード/カードゲーム、アナログゲーム関連書籍、ゲームサポート雑誌の記事・製造・販売[1]
クトゥルフ神話TRPGとの関わり――『暗黒神話TRPG トレイル・オブ・クトゥルー改訂版』
グループSNEがクトゥルフ神話TRPGの読者と直接に接点を持つのは、現時点では『暗黒神話TRPG トレイル・オブ・クトゥルー改訂版』の発行元としてである。製品ページに掲載されている書誌は次のとおり。
■暗黒神話TRPG トレイル・オブ・クトゥルー改訂版著:ケネス・ハイト監修:安田均・森瀬繚翻訳:トレイル・オブ・クトゥルー翻訳チーム発売日:2023年8月29日定価:4,950円(4,500円+税)発行=グループSNE発売=新紀元社ISBN:9784775321140※本書は2020年12月に書苑新社より発売された書籍を、発売元を変更して刊行したものです。[3]
この書誌が示すとおり、2023年の「改訂版」はまったくの新規翻訳ではない。原型となる日本語版は2020年12月に書苑新社から刊行されており、2023年8月29日、発売元を新紀元社に変更したうえで刊行し直されたものである(発行元はグループSNE)[3]。改訂にあたって加わった要素について、製品ページは「エラッタ修正以外の追加要素は、紹介文の内容をご参照ください」としたうえで、作品紹介文の中で「改訂版では、戦闘などのルールの補足、キャラ作成サマリーやミニシナリオが追加などで、さらに遊びやすく」なったと説明している[3]。
監修者の一人である安田均は、グループSNEの創設者であり現在の代表取締役でもある人物である[1]。すなわちこの改訂版は、自社の代表自身が監修に名を連ねる形で刊行されていることになる。もう一人の監修者森瀬繚については、当サイトに既存記事がある。原作者ケネス・ハイトの経歴や他作品との関わりは当サイトのケネス・ハイト記事にまとめてあるので、本稿では繰り返さない。
サポート面では、エラッタ・訳語の変更(最終更新2022年5月12日)、FAQ(最終更新2021年7月2日)、クイックスタートルールと探索者用サンプルシート各種のPDF配布、『GMウォーロックVOL.2』掲載の翻訳シナリオ「タイタニック号の悪夢」のサポートデータが公式サイトから提供されている[3]。関連書籍として『アーカム探偵奇譚』『トレイル・オブ・クトゥルー・ジャパン』『宇宙の彼方より』『最後の黙示』の4作も同ページに掲載されているが、これらの内容自体は本サイトが参照した製品ページの範囲では書誌以上の情報が確認できなかった[3]。
もう一点、公式サイトの会社案内ページに掲載されている「主要取引先(五十音順)」には、この2020年版の元の発売元である株式会社書苑新社の名が含まれている[1]。トレイル・オブ・クトゥルー改訂版の製品ページ自体には両社の資本関係やライセンス経緯までは説明されていないが、書苑新社がグループSNEの主要取引先の一社として挙げられている事実は、この一連の刊行の背景を補う情報として記録しておく。なお、原作版元であるPelgrane Pressという名称への言及は、本サイトが参照したグループSNE公式ページの範囲では見当たらなかった。
『トレイル・オブ・クトゥルー』以外のクトゥルフ神話系タイトル(『Cthulhu Confidential』『The Fall of DELTA GREEN』など、Pelgrane Press刊行の他ラインの日本語版)がグループSNEから刊行されているかどうかについても、本サイトが参照した製品情報ページの範囲では確認できなかった。日本国内でのクトゥルフ神話の受容の広い流れについては当サイトの別記事、国内シナリオ文化の背景については当サイトの別記事にまとめてあるので、あわせて参照されたい。
現在の体制
会社概要としてグループSNE公式サイトが公表している項目は次のとおりである。
- 会社名:株式会社グループエス・エヌ・イー(表記上は「株式会社グループSNE」)
- 所在地:兵庫県神戸市中央区
- 設立年月日:1987年10月1日
- 代表者:代表取締役 安田均
- 資本金:本サイトが参照した会社案内ページには記載がなかった[1]
主要取引先(五十音順)として、株式会社アークライト、株式会社アンバランス、株式会社イエローサブマリン、株式会社KADOKAWA、株式会社コザイク、株式会社書苑新社、株式会社新潮社、株式会社スターコーポレーション、SBクリエイティブ株式会社、冒険支援株式会社の名が挙げられている(「など」として一部の取引先は省略されている)[1]。役員構成やスタッフ全員の一覧、資本金の額については、本サイトが参照した公式ページの範囲では確認できなかった。
出典
- [1] 株式会社グループSNE公式サイト「会社案内」(ABOUT SNE)。会社名(「株式会社グループエス・エヌ・イー」)、所在地(兵庫県神戸市中央区)、設立年月日(1987年10月1日)、代表者(代表取締役 安田均)、創設の経緯と創設時からの主な所属クリエイター(水野良・山本弘・清松みゆき・友野詳・北沢慶・加藤ヒロノリ・秋口ぎぐる・河野裕)、事業の広がり(RPG/小説/リプレイ→TCG→2013年以降のボード/カードゲームメーカー化)、代表作、主な事業内容、主要取引先(五十音順)の一覧を確認した。資本金・詳細な沿革年表の記載は無し。(取得日 2026-09-20) — https://www.groupsne.co.jp/about/index.html ↩
- [2] 株式会社グループSNE公式サイト「製品情報」(PRODUCTS)。TRPG(オリジナル/翻訳・コラボレーション)、ボード/カードゲーム・TCG、書籍、SNEマダミスノベルズ、ゲームサポート誌の各カテゴリの掲載タイトル、および「ゴーストハンター」が創設年発売のコンピュータRPG『ラプラスの魔』を起点とするという記述を確認した。(取得日 2026-09-20) — https://www.groupsne.co.jp/products/index.html ↩
- [3] 株式会社グループSNE公式サイト「暗黒神話TRPG トレイル・オブ・クトゥルー改訂版」製品ページ。書誌情報(著者・監修・翻訳・発売日・定価・発行/発売元・ISBN)、2020年12月書苑新社版からの発売元変更という経緯、改訂内容、サポート提供物、関連書籍の一覧を確認した。(取得日 2026-09-20) — https://www.groupsne.co.jp/products/ToC/index.html ↩


