概要
『黄衣の王』を読んで以来精神の平衡を崩した語り手が、教会のミサの最中に何者かへの恐怖に追い立てられ、日常の光景が唐突にカルコサの終末的幻視へと反転する一編。
作品情報
- 原題: In the Court of the Dragon
- 執筆・発表年: 1895年発表(短編集『黄衣の王』収録)
- 主題タグ: 禁断の戯曲がもたらす狂気の伝染、日常からの反転、カルコサへの引き渡し
登場神格・用語
あらすじ
『黄衣の王』を読んで以来精神の平衡を崩した無名の語り手が、パリのサン・バルナベ教会の夕べのミサに安らぎを求める。だが異様な旋律を奏でるオルガンの奏者に気づき、憎悪に満ちた視線に追われる感覚に苛まれ、教会を出た後もパリの街路を追跡される。自宅の住所と同名の「竜の路地」でついに追い詰められた瞬間、目が覚めたかに見えるが、直後に教会そのものが崩れ去り、ハイの湖から吹く風とカルコサの塔が立ち現れ、語り手の魂は黄衣の王の声とともにカルコサへと引き渡される。
読みどころと注目テーマ
日常の場面が終盤で唐突に終末的幻視へ反転する構成、『黄衣の王』を読んだ者に取り憑く狂気の伝染というシリーズ共通のモチーフ
執筆背景と影響
教会のミサという日常的な場面が終盤で唐突にカルコサの終末的幻視へ反転する構成が特徴で、『黄衣の王』を読んだ者に取り憑く「狂気の伝染」というシリーズ共通のモチーフを最も直接的に示す一篇とされる。






