ゲーム(2026年9月9日発売予定) — Cosmic Fear

Cosmic Fear

イタリアの一人開発者Alessandro Guzzoが手がける一人称ホラー『Cosmic Fear』が、2026年9月9日にSteamで発売予定として公開された。2017年の『The Land of Pain』、2021年の『The Alien Cube』に続く3作目にあたり、公式は「両作の世界観を拡張する」作品と位置づけている。

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概要

『Cosmic Fear』が、2026年9月9日にSteamで発売予定として公式ページに掲載され、デモ版もすでに配信中だ[1]。開発・発行は、これまで『The Land of Pain』(2017年)と『The Alien Cube』(2021年)を手がけてきた一人開発者Alessandro Guzzoによるもので、Steam公式ページは本作を「開発者の過去作『The Land of Pain』と『The Alien Cube』の世界観を拡張する」作品と位置づけている[1]。

どんなゲームか

公式のあらすじは「You turn your gaze to the stars: what lies hidden in the unfathomable depths of the cosmos?(あなたは星々へ目を向ける――底知れぬ宇宙の深淵には、何が潜んでいるのか?)」というもので、プレイヤーは太古の存在の痕跡を調査し、人類史の忘れられた1章を掘り起こしていく。「disturbing Lovecraftian first-person horror adventure(不穏なラヴクラフト的一人称ホラーアドベンチャー)」と明記されており、敵対的な環境の中で危険な遭遇を生き延びながら、探索とパズル解きで物語を進める設計だ[1]。グラフィックにはUnreal Engine 5とフォトグラメトリ技術が使われ、動的な光源・影・ボリューメトリックフォグによる圧迫感のある環境表現が特徴とされている[1]。

イタリアのゲームメディアMultiplayer.itが公開したデモ試遊レポートによれば、体験版の舞台は霧に包まれた孤立した森で、宇宙的な力を呼び寄せることを目的とした「暗黒の儀式」にまつわる不可解な出来事が描かれる[4]。体験は完全な一人称視点で進行し、文書や手紙を拾い集めて状況を読み解いていく、環境ストーリーテリングに重心を置いた作りだという[4]。同記事は、デモの時点では実質的なゲームプレイ(主に鍵探しの基本的なパズル)が少なく、完成版で興味を持続させられるかは未知数だとしつつも、一人で手がけた作品としては雰囲気作りと技術的な完成度が際立っていると評している[4]。

前2作との関係——一人開発者が10年近く積み上げてきた世界

Alessandro Guzzoは、いずれもラヴクラフト的な世界観を扱う3作を一人で手がけてきた。第1作『The Land of Pain』は2017年9月13日発売、「Something strange appears in the woods. Rain pours, and darkness hangs in the air. Life as you know it is about to change forever.(森に何か奇妙なものが現れる。雨が降りしきり、闇が立ち込める。あなたの人生はこれまでとは違うものへと変わろうとしている)」というあらすじの「Lovecraftian horror adventure」だった[2]。

第2作『The Alien Cube』は2021年10月14日発売。主人公アーサーが、叔父エドガーの失踪を知らされるところから物語が始まる[3]。公式ページは本作を「The Land of Painの精神的後継作(spiritual successor)」と明記し、「find out the connection between these two games(この2作のつながりを見出してほしい)」と案内している――叔父エドガーが前作の主人公だったことを示唆する一文だ[3]。『The Alien Cube』はCryEngine 5とフォトグラメトリ技術で作られ、「CRYENGINE Game of the Year 2021」を受賞している[3]。

そして今回の『Cosmic Fear』が、この2作の世界観をさらに拡張する3作目として位置づけられている[1]。2017年から2026年まで、約9年にわたって一人の開発者が同じ宇宙的恐怖の世界を作り続けてきたことになる。

Guzzoはイタリアの開発者で、2018年のインタビューでは、企画・脚本・音楽・マーケティングまでゲーム制作に関わるほぼすべての工程を一人でこなす利点を「複数の頭脳を調整する必要がなく、自分の強みに焦点を当てて開発時間を最適化できること」と説明し、その代償として作業量そのものが膨大になる点を課題として挙げている[5]。ラヴクラフトからの影響について問われた際は「明らかな影響源」だと認めつつも、「残りはすべて自分自身の想像力から生まれた」と述べ、むしろ初期のプレイステーション作品や2000年代初期のPCゲームから受けた影響のほうが大きいことを強調している[5]。つまり本人自身は、自作を文学的なラヴクラフト解釈としてではなく、ゲームというメディア自体の歴史から育った作品として位置づけていることになる。3作を通じて一貫しているのは、派手な戦闘ではなく、探索と環境そのものが語る恐怖を積み重ねていく作風だ。

神話の三層で見るとどこに位置するか

『Cosmic Fear』はクトゥルフやニャルラトホテプといった原典の固有名詞を掲げる作品ではなく、当サイトが整理している原典/ダーレス系拡張/TRPG設定という三層のいずれにも直接属さない。むしろ、ラヴクラフトが定義した「未知の外部への怖れ」「自然法則が破られる示唆」という宇宙的恐怖の骨格だけを引き継ぎ、固有名詞を使わない独自の神話体系を一人の開発者が10年近くかけて育ててきた事例だと言える。神話の拡張のされ方としては、ダーレスのような体系化とも、TRPGのルール化とも異なる、個人の作家性に貫かれた「私設の神話体系」という第四の道に近い。しかも本人自身が語るように、その体系を支えているのはラヴクラフト文学への深い読み込みというより、ゲームという媒体そのものへの原体験だという点も、この位置づけをさらに複雑にしている。

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出典

  • [1] 発売日「9 Sep, 2026」、デモ配信中であること、開発・発行元Alessandro Guzzo、あらすじ「You turn your gaze to the stars: what lies hidden in the unfathomable depths of the cosmos?」、ジャンル「disturbing Lovecraftian first-person horror adventure」、前2作の世界観を拡張する作品であること、Unreal Engine 5とフォトグラメトリ技術の使用が記載されている — Steam公式ストアページ「Cosmic Fear」, store.steampowered.com ↩
  • [2] 『The Land of Pain』の発売日「13 Sep, 2017」、あらすじ「Something strange appears in the woods. Rain pours, and darkness hangs in the air. Life as you know it is about to change forever.」、「Lovecraftian horror adventure」であることが記載されている — Steam公式ストアページ「The Land of Pain」, store.steampowered.com ↩
  • [3] 『The Alien Cube』の発売日「14 Oct, 2021」、主人公アーサーが「the disappearance of your Uncle Edgar」を知らされる筋書き、「spiritual successor to The Land of Pain」であること、「find out the connection between these two games」という案内、「CRYENGINE Game of the Year 2021 Winner!」の受賞歴が記載されている — Steam公式ストアページ「The Alien Cube」, store.steampowered.com ↩
  • [4] デモの舞台が霧に包まれた孤立した森であること、宇宙的な力を呼び寄せる「暗黒の儀式」にまつわる出来事が描かれること、完全な一人称視点で文書・手紙の収集を軸にした環境ストーリーテリングであること、デモ時点では実質的なゲームプレイ(鍵探しパズル中心)が少ないこと、一人で手がけた作品として雰囲気作りと技術的完成度が評価されていることが記載されている — Multiplayer.it「Cosmic Fear: l’horror cosmico di un solo sviluppatore italiano」, multiplayer.it ↩
  • [5] Alessandro Guzzoが一人開発の利点を「複数の頭脳を調整する必要がなく、自分の強みに焦点を当てて開発時間を最適化できること」と説明し、作業量の膨大さを課題として挙げていること、ラヴクラフトからの影響を「obvious(明らかな影響源)」としつつ「残りはすべて自分自身の想像力から生まれた」と述べ、初期のプレイステーション作品や2000年代初期のPCゲームからの影響を強調していることが記載されている — Cyberludus「The Land of Pain, la nostra intervista ad Alessandro Guzzo」, cyberludus.com ↩

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