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クトゥルフ神話RPG 瘴気の海に眠る少女

同人クトゥルフゲームの定番『瘴気の海に眠る少女』を解説。

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概要

クトゥルフ神話RPG 瘴気の海に眠る少女』は、同人サークルAlchemyBlue(シナリオ:白飯マコト)が2015年8月27日にDLsiteで発売したレトロゲーム風ホラーRPGで、「クトゥルフ神話RPG」シリーズの第1作にあたります。プレイヤーは名前・性別・能力値・スキルを自由に設定した主人公を作成し、個性の異なる5人の仲間から同行者を選んで、肝試しに訪れた古びた洋館の探索に挑みます。ファミコン時代を思わせるドット絵と音楽をまといながら、館には巨大化した虫や浮遊霊、動く人形、そして神話生物といった多様な恐怖が潜んでいます。DLsiteでの累計DL数は7,800件を超え、評価も★4.5前後(2026年7月時点)と、DLsite発の同人クトゥルフゲームでは定番格の人気作です。2021年7月29日にはレジスタからNintendo Switch版も配信され、カジュアルモードの搭載やキャラクターイラストの刷新などの追加要素が加えられました。

クトゥルフ神話との関係

本作の骨格をなすのは、正気度(SAN値)の管理というクトゥルフ神話TRPG由来のシステムです。キャラクターはHPだけでなくSAN値を持ち、恐ろしい存在を目撃したり衝撃的な出来事に遭遇したりするたびに正気を削られ、限界を超えれば狂気に陥ります。仲間それぞれに「虫が苦手」「幽霊が苦手」といった恐怖の対象が設定されており、誰を連れて行くかで精神的な消耗の仕方が変わるという設計は、探索者ごとに恐怖症を抱えるTRPGのセッション感覚をコンピュータRPGに巧みに移植したものといえます。洋館の奥に隠された真実が旧支配者級の存在へと接続していく構成や、「調べる」「さがす」といった技能ベースの探索も、『クトゥルフの呼び声』以来の「調査し、知りすぎて、代償を払う」という神話作品の型を踏襲しています。

独自の要素・原典との違い

最大の特徴は、コズミックホラーを「遊びやすいレトロRPG」の文法で包み直している点です。戦闘はシンプルなコマンド式で、レベルや所持スキルを引き継いで何度も挑み直せる周回前提の設計になっており、一度の全滅が即座に絶望へ直結するTRPGの緊張感を、リトライと攻略の楽しさへ翻訳しています。国内レビューでも「スウィートホームを彷彿とさせるホラー×コマンドRPG」「クトゥルフ入門にうってつけ」といった評価が目立つ一方、ホラー演出やダンジョンの難度は比較的軽めであることも指摘されており、原典の重苦しい絶望よりも「怖くて懐かしい探索劇」としての完成度で支持を集めた作品です。本作の後、和風伝奇に挑んだ第2作『血塗られた天女伝説』、シリーズ最高評価の第3作『水晶の呼び声』へと続き、英語版や3作をまとめたアニバーサリーボックスも展開されるなど、同人クトゥルフゲームを代表するシリーズの原点となりました。

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