編集部注(著作権について): 本記事が扱う『戸口の彼方へ』は、1941年発表の「ウィアード・テイルズ」誌掲載作で、著作権が更新登録されているため(登録番号R459656)、2037年まで米国で著作権が継続しています(パブリックドメインではありません)。本記事は原文からの引用を行わず、あらすじ・論評のみで構成しています。
概要
ウィスコンシン州の森深くに建つ祖父の屋敷で、禁じられた「戸口の彼方」への好奇心が悲劇を招く短編。「風を歩むもの」イタカを巡る一連の物語群(イタカ・サイクル)に連なる一作とされる。
作品情報
- 執筆・発表年: 1941年発表(「ウィアード・テイルズ」誌9・10月号)
- 主題タグ: 禁じられた戸口、先祖の秘密、消失
登場神格・用語
- イタカ(本作で直接名指しはされないが、後年のアンソロジー『The Ithaqua Cycle』に収録され、同神格を扱う作品群の一つとして位置づけられている)
あらすじ
ミスカトニック大学の司書である語り手は、いとこからの知らせを受け、ウィスコンシン州北部の森と湖に囲まれた祖父の屋敷を訪れる。祖父は、大伯父が遺した書類に取り憑かれたようになっていた。大伯父はかつて旧支配者と関わりを持ち、「戸口の彼方へ踏み込んではならない、さもなくば恐ろしい報いを受ける」という警告を書き残していた。1850年代にこの屋敷を建てたリアンダー・オルウィンは、窓のない奇妙な書斎を設計に組み込んでいた。祖父はやがてその書斎の奥に、地の底へと通じる岩の裂け目を発見する。警告を無視して戸口の彼方へ足を踏み入れた祖父は、そのまま姿を消し、二度と戻ることはなかった。
読みどころと注目テーマ
先祖の秘密がもたらす災厄、越えてはならない境界、忽然とした消失
執筆背景と影響
1940年9月という執筆時の直近を舞台に設定した、ダーレスの「イタカ・サイクル」に連なる一作。ダーレス作品にたびたび現れる「禁忌を破った者が異界へ攫われる」という定型的な結末を持ち、Arkham House選集『Something Near』(1945年)に再録された。




