概要
薄暗い書店で謎の書籍商から古書を入手した語り手の身に、奇怪な出来事が起き始めたところで途切れる未完の断章。詩集『ユゴスよりの真菌』冒頭のソネットを散文化する試みとされる。
作品情報
- 原題: The Book
- 執筆・発表年: 1933年執筆(未完)/1938年発表(専門誌「Leaves」、遺稿)
- 主題タグ: 未完の断章、謎の書籍商から入手した古書、詩集『ユゴスよりの真菌』の散文化の試み
あらすじ
語り手が薄暗い書店で謎の老書籍商から古書を入手し持ち帰る場面から始まる未完の断片。書物を検分し始めた語り手の周囲で「奇怪で不吉な出来事」が起き始めたところで原稿は途切れており、結末は存在しない。詩集『ユゴスよりの真菌』冒頭3篇のソネットを散文化する試みとされる。
読みどころと注目テーマ
謎の書籍商から古書を入手するという発端、詩篇の散文化という制作過程の資料的価値、未完のまま途切れる結末
執筆背景と影響
1933年、文体実験に行き詰まり草稿の多くを破棄したとラヴクラフト自身が記した時期の断片の一つ。1980年にマーティン・S・ウォーンズが「ニャルラトホテプによる憑依」の物語として完結編を発表しているが、これは後年の翻案であり、ラヴクラフト自身の原文に同名の登場は確認できない。


