イベント(オンライン・参加無料、2026年11月13〜15日開催予定、会場はCHAOSIUM公式DISCORD) — Impromptu Con 2026

Impromptu Con 2026

『クトゥルフの呼び声』の版元ケイオシアムが、無料のオンラインゲームコンベンション「Impromptu Con」の2026年版を11月13〜15日に開くと発表した。タイトルに「復活」を意味する"is back"とある通り、これは初開催ではない。過去の開催歴と、同じく無料・Discord開催の別イベントとの違いから、この催しの位置づけを確認する。

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概要

TRPG『クトゥルフの呼び声(Call of Cthulhu)』などの版元であるアメリカのケイオシアム(Chaosium)社は、2026年9月11日、公式ブログで無料のオンラインゲームコンベンション「Impromptu Con」を2026年11月13日(金)から15日(日)にかけて開くと発表した。投稿はMichael O’Brien氏名義で、見出しは「Impromptu Con is back! – November 13th-15th on Chaosium Discord」。本文の冒頭は「Save the date! Impromptu Con is back – November 13th-15th on Chaosium Discord.」(この日程を空けておいてほしい。Impromptu Conが帰ってくる。11月13日から15日、Chaosium Discordで)という一文で始まる[1]。

会場はChaosium公式Discordのみで、公式ブログの「Chaosium Discord」という文字列そのものがDiscordの招待リンクになっている。参加費は無料で、公式ブログは本イベントを「a low impact, easygoing, and free online gaming convention that celebrates all things Chaosium」(気負わず、気楽に楽しめる、ケイオシアムのすべてを祝う無料のオンラインゲームコンベンション)と説明している[1]。週末を通してボランティアのGM(ゲームマスター)によるセッションが開かれ、ケイオシアムのスタッフもパネルやワークショップを開くために立ち寄るとされる。プレゼント企画(giveaways)も予定されている。ただし具体的なプログラムやタイムテーブルは本稿執筆時点では未公開で、公式ブログは「More information and a FAQ coming soon!」(詳細とFAQは近日公開)と記すのみである[1]。

どんな催しか(Impromptu Conとは)

見出しの「is back」は、これが今回初めて開かれるイベントではないことを示している。ケイオシアム公式ブログが2025年の開催に合わせて公開したFAQページによれば、Impromptu Conの第1回は「早くも2021年の初頭、パンデミックで誰もが自宅に閉じ込められていた時期」に開かれ、好評だったため「あの困難な時期の間にさらに何度か」開催されたという[2]。つまり発端はコロナ禍の在宅需要にあり、その後も複数回続いてきたイベントということになる。

同じFAQページは、この催しの性格を次のように説明している。名前の由来は「impromptu(即興の)」という語そのもので、計画も準備もリハーサルもせずに行うことを指す。運営側は「TabletopEventsのようなコンベンション管理ソフトウェアは使わない。それは『計画』というものだ。Impromptu Conではそれを極力避けている」と述べ、固定の進行表も持たない。パネルやワークショップ、実況プレイ(Actual Play)は事前に告知されるが、それ以外はスタッフが週末を通して不定期に顔を出す形で、「ビデオチャットに顔を出すかもしれないし、テキストチャンネルに潜んでいるかもしれないし、抜き打ちのテキストAMAを開くかもしれない」という[2]。参加したいセッションは、Discord内の「Looking for Group」カテゴリに掲示されるゲーム一覧から各自のタイミングで申し込む方式である。

直近の開催実績として確認できるのは、2025年8月24日に発表され、9月12日(金)から14日(日)にかけて開かれた回である。発表文はケイオシアムが「今年で50周年」であることに触れ、「Impromptu Conが帰ってくる」と記していた[3]。この回のプログラム例としては、金曜のライブお絵かき配信「In the Studio with Matt Ryan」、土曜の実況プレイ「Call of Cthulhu Actual Play(Keeper Mav | Saturday the 14th)」、『ペンドラゴン』を扱うトーク「All About Arthur: Bringing Pendragon to Life」、日曜のBRP(ケイオシアムの汎用システムBasic Roleplaying)に関するテキストAMA、ペンドラゴンのカードゲーム紹介などが告知されていた[2]。これらはいずれも2025年版の実例であり、2026年11月の版で同じ内容が繰り返される保証はない。

日本から参加するということ

Impromptu Conの会場はDiscordのみで、渡航も宿泊予約も要らない。FAQページは開催タイムゾーンについても踏み込んで説明している。「ケイオシアムは世界規模の小さな会社だ。我々は24時間体制で働いている。モデレーター陣も世界中にいて、24時間体制で見守っている。ファン層も世界中にいて、24時間いつでも遊んでいる。だから、Impromptu Conに指定のタイムゾーンはない」[2]。この一文は、特定の国・地域の夜間に合わせて日程が組まれる対面コンベンションとは異なる設計であることを示している。実際にどの時間帯にどれだけ日本語話者向けの動きがあるかは、11月の開催を待たなければ分からない。

「無料・Discord開催」がもう一つある——Miskatonic Repository Conとの違い

当サイトは以前、Chaosium公認の同人シナリオ投稿プラットフォームを対象にしたMiskatonic Repository Con 2026を取り上げた。両者は「無料」「完全オンライン」「Discordを会場とする」という点で似ているため、名前を聞いただけでは同じイベントだと誤解しかねない。しかし対象範囲も運営方針もかなり異なる。

Miskatonic Repository Conは、Miskatonic Repositoryで公開済み・公開準備中のCoC第7版シナリオに対象を絞ったコンベンションで、2026年10月23日から25日の開催にあたってKeeperのゲーム登録開始日(9月4日)とプレイヤー登録開始日(9月25日)が事前に定められている。未完成シナリオのプレイテストを歓迎するという明確な目的も持つ。対して今回のImpromptu Conは、対象を特定の作品・システムに絞らず「ケイオシアムのすべて」を祝う場と位置づけられ、公式FAQが明言する通り、コンベンション管理ソフトも固定進行表も持たない、より輪郭のゆるいイベントである[2]。同じ「版元公式・無料・Discord」という条件を満たしながら、片方は制度化された募集フローを持つ発表の場、もう片方は計画性を意図的に排したその場限りの集まりという、対照的な設計思想を採っている。

Chaosium Con USとの距離、そして神話の三層のどこに立つか

当サイトはChaosium Con US 2027の記事で、版元公認の対面コンベンションを、原典(第1層)でもダーレス以降の拡張(第2層)でもなく、1981年にケイオシアムが刊行したTRPG『クトゥルフの呼び声』に始まる「TRPG設定という営み(第3層)」がさらに制度化され、「現地に集まって遊ぶ場」として実体化した姿だと位置づけた。Impromptu Conも同じケイオシアムという版元が主催する点では同じ系譜上にあるが、対面かオンラインか、有料か無料かという違い以上に、対象の広さが異なる。Chaosium Con USの企画にはCall of CthulhuのほかRuneQuestやPendragonのコミュニティコンテンツ即売コーナーが含まれており[4]、Impromptu Conの過去のプログラムにもCall of Cthulhuの実況プレイとPendragonの企画が並んでいたことは前述の通りである[2]。どちらも「クトゥルフ神話TRPG専用」の催しではなく、ケイオシアムという版元が抱える複数のゲームブランドを横断する場だという点は共通している。

ここから見えるのは、Impromptu Conという催し自体が「クトゥルフ神話」というテーマそのものに属するのではなく、そのテーマを含む版元の活動の一部にすぎないという位置関係である。神話の三層という当サイトの枠組みに当てはめるなら、Impromptu Conの中でCall of Cthulhuのセッションが開かれる限りにおいてその部分は第3層(TRPGによる拡張)の実践の場になるが、催し全体を第3層の出来事だと言い切ることはできない。2025年の実況プレイのように、Call of Cthulhuの卓が今回の11月の回にも立つのかどうかは、現時点で公開されている情報からは確認できない。

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出典

  • [1] Chaosium公式ブログ「Impromptu Con is back! – November 13th-15th on Chaosium Discord」(Michael O’Brien名義、2026年9月11日付、2026年9月11日確認)。2026年11月13〜15日の開催であること、会場がChaosium Discordであること、参加無料であること、「celebrates all things Chaosium」という説明文、ボランティアGMによるセッションが週末を通して行われること、ケイオシアムスタッフによるパネル・ワークショップの予定、プレゼント企画の予定、詳細とFAQが近日公開予定であることを確認。https://www.chaosium.com/blogimpromptu-con-is-back-november-13th15th-on-chaosium-discord/ ↩
  • [2] Chaosium公式ブログ「What’s happening at Impromptu Con this weekend on Chaosium Discord? Here’s the program, and the FAQ!」(Michael O’Brien名義、2025年9月10日付、2026年9月11日確認)。Impromptu Conの第1回が2021年初頭に開かれ、パンデミック期にさらに複数回開催されたこと、コンベンション管理ソフトウェアを使わない運営方針、固定進行表・固定タイムゾーンを持たないこと、2025年版(9月12〜14日)のプログラム例(Matt Ryanのライブお絵かき、Call of Cthulhu実況プレイ、Pendragon関連企画、BRPのテキストAMA)を確認。https://www.chaosium.com/blogwhats-happening-at-impromptu-con-this-weekend-on-chaosium-discord-heres-the-program-and-the-faq/ ↩
  • [3] Chaosium公式ブログ「Impromptu Con is back – September 12-14 on Chaosium Discord」(Michael O’Brien名義、2025年8月24日付、2026年9月11日確認)。2025年版の発表日、開催日程が2025年9月12〜14日であること、発表文がケイオシアムの50周年に触れていることを確認。https://www.chaosium.com/blogimpromptu-con-is-back-september-1214-on-chaosium-discord/ ↩
  • [4] Chaosium公式ブログ「Chaosium Con US returns in 2027, April 8 – 11 – and Badges and Hotel Block are now open!」(2026年9月11日確認、当サイトのChaosium Con US 2027記事で既に出典として確認済み)。Chaosium Con USの企画にRuneQuest・Pendragonのコミュニティコンテンツ即売コーナーが含まれることを確認。https://www.chaosium.com/blogchaosium-con-us-returns-in-2027-april-8-11-and-badges-and-hotel-block-are-now-open/ ↩
  • [5] Chaosium公式サイト ブログタグ一覧「Impromptu Con」(2026年9月11日確認)。同タグが付いた投稿が2026年9月11日・2025年9月10日・2025年8月24日の3件のみであることを確認。https://www.chaosium.com/blog/tag/Impromptu+Con ↩

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