概要
クトゥルフ神話TRPGで最初に覚えることになるルールが、「d100(パーセンタイル)判定」です。能力値・技能値はすべて0〜99(または100)のパーセンテージで表され、判定は100面ダイス(またはd10を2つ振って十の位・一の位として読む)を1回振り、その数値が技能値以下であれば成功という、驚くほど単純な仕組みになっています[1]。このページでは、この判定方式の土台である「ベーシック・ロールプレイング(BRP)」の成り立ちと、なぜこの単純さが今も基盤であり続けているのかを解説します。
ベーシック・ロールプレイング(BRP)とは
クトゥルフ神話TRPGは、単独で開発されたゲームではありません。ケイオシアム(Chaosium)社の汎用ルールシステム「ベーシック・ロールプレイング(Basic Role-Playing、BRP)」を土台にしています[2]。
BRPはもともと、ケイオシアムのファンタジーTRPG『ルーンクエスト』(RuneQuest)のルールを土台に、グレッグ・スタッフォード(Greg Stafford)が「ストライクランク」や「部位ごとのヒットポイント」といった複雑な要素を省いて簡略化し、1980年に16ページの小冊子として独立させたことで生まれました[2]。クトゥルフ神話TRPG(1981年)の初版ボックスセットには、このBRP小冊子がキャラクター作成ルールとしてそのまま同梱されていました[2]。
以後、BRPはケイオシアムが刊行する複数のゲーム(『ストームブリンガー』『スーパーワールド』『エルフクエスト』等)で共通の「社内標準システム」として使われ続けており、クトゥルフ神話TRPGはその中でも最も長く遊ばれ続けている代表作です[2]。
判定の仕組み——技能値以下を出せば成功
BRPのパーセンタイル判定は、次のように機能します。
- 能力値・技能値は、いずれも「0〜99(または100)」の数値(パーセンテージ)で表される
- 判定のたびにd100(percentile dice、d10を2個使い十の位・一の位として読む)を1回振る
- 出た目が、その能力値・技能値以下であれば成功、上回れば失敗
この方式は、「技能値の数値そのものが、その判定に成功する確率(パーセント)を直接表している」という分かりやすさが特徴です[2]。技能値50なら成功率50%、技能値80なら成功率80%というように、キャラクターシート上の数字を見るだけで大まかな成功率が把握できます。
BRPは、職業やクラスに関係なくあらゆるキャラクターが幅広い技能一覧を持つ、汎用的な技能システムを初めて本格的に導入したロールプレイングシステムの一つともされています[2]。戦闘用の技能はもちろん存在しますが、探索者は聞き込み・図書館調査・目星といった「調査」系の技能も同じ判定方式で扱うため、戦闘と調査が地続きの体験として設計されています。
なぜこの単純さが今も基盤であり続けるのか
クトゥルフ神話TRPGは1981年の初版から2014年の第7版まで、大小さまざまな改訂を重ねてきましたが、「技能値以下を出せば成功」という基本のd100判定そのものは一貫して変わっていません。
版を重ねるごとに、判定に関わる周辺ルール(後述する「プッシュロール」や「成功度」など、第7版で追加された要素)は洗練されていますが、根本にある「パーセンテージで表された技能値に対して、d100を振って以下を出す」という土台は崩されていません。この一貫性は、キャラクターシートを見ればおおよその成功率が直感的に分かるという分かりやすさを保ったまま、40年以上にわたって新しいプレイヤーを迎え入れ続けてきた理由の一つといえます。
出典
- [1] “Your attributes and skills give you percentile values which are equal to the probability of rolling under them on a d100 roll.”(訳: 能力値と技能値はパーセンタイル値で表され、それはd100で目標値以下を出す確率と等しい) — *Basic Role-Playing*, Wikipedia ↩
- [2] “So in 1980 The Chaosium quickly distilled the RuneQuest rules into a succinct and elegant 16 page ruleset… Chaosium started including it in many of its boxed games, most notably in the first edition of Call of Cthulhu, which actually required it for character creation.”(訳: 1980年、ケイオシアムは『ルーンクエスト』のルールを簡潔で洗練された16ページのルールセットへと凝縮した。以後この小冊子は複数の箱入りゲームに同梱されるようになり、なかでもクトゥルフの呼び声の初版ではキャラクター作成にこの小冊子が必須とされていた) — Chaosium公式ブログ “Out of the Suitcase #48: ‘Good old Burly Bob’ – a basic history of Basic Role-Playing”, Chaosium.com ↩

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