TRPGガイド

TRPGとは?意味・遊び方・必要なもの・起源を初心者向けに解説

TRPGとは何かを、定義・語源・遊びの基本要素・一回の流れ・起源(1974年のD&D)まで初心者向けに解説。クトゥルフ神話TRPGへの橋渡しとなる記事。

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導入——「一冊の本」ではなく「その場で立ち上がる物語」

小説やマンガは、作者があらかじめ書き上げた物語を読者が追体験するものです。TRPG(テーブルトークRPG)はそれとは根本的に違います。誰も結末を知らないまま、参加者の会話とダイスの偶然が積み重なって、その場でしか存在しない一回きりの物語が立ち上がっていく——それがTRPGという遊びの本質です。

このページでは、クトゥルフ神話に限らない一般的なジャンルとしての「TRPGとは何か」を整理します。クトゥルフ神話TRPGそのものの特徴については「クトゥルフ神話TRPGとは」で扱っているので、そちらもあわせてご覧ください。

TRPGの定義と語源

TRPG(テーブルトークRPG)は和製英語です。英語圏では tabletop RPG(TTRPG)、あるいは pen-and-paper RPG と呼ばれます。「テーブルを囲んで、会話(トーク)によって進行する」という日本での遊ばれ方の特徴が、そのまま呼び名になりました。

コンピューターゲームのRPG(CRPG、後述)と区別するために、日本では「TRPG」という呼称が定着しています。

基本要素——進行役+プレイヤー+キャラクターシート+ダイス

TRPGは、おおむね次の要素の組み合わせで成立します。

  • 進行役:物語の舞台・状況を説明し、プレイヤーキャラクター以外の登場人物や敵を担当する役割。呼び名はゲームによって異なり、「ゲームマスター(GM)」「ダンジョンマスター(DM)」「キーパー(KP)」など様々です
  • プレイヤー:各自1人のキャラクター(プレイヤーキャラクター、PC)を担当し、その視点で「何をするか」を宣言します
  • キャラクターシート:担当するキャラクターの能力値・技能・所持品などを記録した紙(またはデジタルツール)
  • ダイス判定:行動が成功するかどうかを、キャラクターの能力値・技能値とダイスの出目で判定します。使うダイスの種類や判定方式はゲームによって異なります(20面ダイスで一定値以上を出す方式、100面相当のパーセンタイル判定で一定値以下を出す方式など)

進行役があらかじめ用意するのは「シナリオ」——事件の発端、舞台、登場人物、想定される展開の骨格です。ただし小説の筋書きとは違い、プレイヤーがどう動くかによって実際の展開は大きく変わります。

一回の遊びの流れ

TRPGを1本のシナリオ通して遊ぶことを、一般に「セッション」と呼びます。おおよそ次のように進みます。

  1. キャラクター作成/選択:プレイヤーがキャラクターシートを作る、または用意されたキャラクターを選ぶ
  2. 導入:進行役が物語の入り口(依頼・事件など)を説明する
  3. 展開:プレイヤーが探索・交渉・戦闘などの行動を宣言し、ダイス判定を交えながら物語が進む
  4. クライマックス:物語の山場。重要な判定や決断がここに集中することが多い
  5. 結末:成功・失敗を含め、物語に一応の区切りがつく

所要時間はシナリオによって様々で、数時間で完結するものもあれば、複数回に分けて遊ぶ長編キャンペーンもあります。

似て非なるもの——ボードゲーム・LARP・CRPGとの違い

  • ボードゲーム:盤面・コマ・カードなど、あらかじめ定められたルールの範囲内で行動が完結します。TRPGは進行役がその場で状況を裁定するため、原理上は行動の選択肢が無限に近く、自由度が本質的に高いという違いがあります
  • LARP(ライブアクションロールプレイ):参加者が実際に衣装を身につけ、身体を動かして「その場で演じる」実演型のロールプレイです。TRPGは基本的にテーブルに座ったまま、会話と想像で物語を進めます
  • CRPG(コンピュータRPG):ルールの判定や物語の分岐をプログラムが処理します。分岐は開発時にあらかじめ用意された範囲に限られますが、TRPGは人間の進行役がその場でリアルタイムに状況を作り、プレイヤーの想定外の行動にも応答できます[1]

起源——1974年の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』

TRPGというジャンルの起点は、1974年にアメリカで発売された『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』初版とされています。ゲイリー・ガイギャックス(Gary Gygax)とデイヴ・アーンソン(Dave Arneson)が制作し、ガイギャックスの会社TSR(Tactical Studies Rules)から刊行されました[2]

D&Dの直接の母体は、中世を舞台にしたミニチュア・ウォーゲームでした。多数の駒を動かす戦争ゲームから、「1つの駒=1人のキャラクターを演じる」という個人視点を切り出し、そこにファンタジー世界観を組み合わせたことが、TRPGというジャンルを生み出す転換点になったとされています[3]

D&Dが確立した能力値・キャラクタークラス・レベル・ダイス判定といった基本概念は、以後の無数のTRPGだけでなく、コンピューターゲームのRPGというジャンルの設計にも大きな影響を与えました[3]

そしてクトゥルフ神話TRPGへ

D&Dが切り拓いたのは、剣と魔法のファンタジー世界で「怪物を倒し、宝を得て、強くなる」ことを目的とするタイプのTRPGでした。その7年後の1981年、全く逆方向の設計思想を持つTRPGが登場します。「勝つ」のではなく、「正気を保ったまま、人智を超えた恐怖の真相にどこまで迫れるか」を主題に据えた、クトゥルフ神話TRPGです。

クトゥルフ神話TRPGがどのような特徴を持ち、なぜホラーというジャンルが卓上ゲームとして成立し得たのかは、「クトゥルフ神話TRPGとは」で詳しく扱います。

出典

  • [1] TRPG・CRPG・LARPの一般的な区分については、各ジャンルの英語版Wikipedia記述(Tabletop role-playing game / Live action role-playing game / Computer role-playing game)に基づく整理。
  • [2] “Dungeons & Dragons (D&D) is a fantasy role-playing game created by American game designers Ernest Gary Gygax and David Arneson in 1974 and published that year by Gygax’s company, Tactical Studies Rules (TSR).” — Dungeons & Dragons (1974) – Wikipedia
  • [3] “Dungeons & Dragons is generally considered the first tabletop role-playing game (TTRPG), and established the genre.” — Dungeons & Dragons (1974) – Wikipedia
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