編集部注(著作権について): 本記事が扱う『カーウェン街の家』(Weird Tales誌1944年3月号掲載、初出時タイトルは”The Trail of Cthulhu”)は、同時代の他のWeird Tales掲載作の一部(例: ダーレス&ショーラー共著「Death Holds the Post」)が個別に著作権更新されている実例があることから、パブリックドメインであるとは断定できません。本記事は原文からの引用を行わず、あらすじ・論評のみで構成しています。
概要
求人広告に応じてアーカムの古い屋敷を訪れた青年が、正体不明のミスカトニック大学教授の秘書となり、クトゥルフに対する秘密の戦いに身を投じる。ダーレスがラヴクラフトの神話を独自に継承・拡張した「クトゥルフの跡を追って」五部作の第一作。
作品情報
- 執筆・発表年: 1944年発表(「Weird Tales」誌3月号、初出時タイトルは”The Trail of Cthulhu”、後の単行本収録時に”The House on Curwen Street”へ改題)
- 主題タグ: 正体不明の恩師、秘密の使命、神々への抵抗
登場神格・用語
あらすじ
ボストン在住の青年アンドリュー・フェランは、「知性と体力、そして『限られた想像力』」を求める求人広告に応じ、アーカムのカーウェン街にある古い屋敷を訪ねる。彼を出迎えたのは人類学者にしてミスカトニック大学哲学教授、ラバン・シュルーズベリー博士だった。フェランは博士の秘書として、正体不明の使命に加わることになる——薬物の力を借りて怪物の背に乗り、封印されたクトゥルフに対する戦いに身を投じるのだ。二人はルルイエへと通じる扉を爆破し、何者かを打ち倒すが、その正体は最後まで明かされない。物語の終盤、シュルーズベリーが眼鏡を外すと、そこには眼窩そのものがなかった——という不穏な描写で幕を閉じる。
読みどころと注目テーマ
正体不明の恩師、秘密の使命、眼球のない教授という不穏な伏線
執筆背景と影響
ラヴクラフトの文学的遺産管理人でもあったダーレスが、「クトゥルフの呼び声」から数十年後を舞台に、自ら神話世界を継承・拡張する意図で書き始めた連作の第一作。以後4作にわたって再登場する主人公ラバン・シュルーズベリーがここで初登場する。ラヴクラフト自身の抑制的な宇宙的恐怖と比べ、より活劇色の強い展開を取る点がダーレス作品の特徴としてしばしば指摘される。






