編集部注(著作権について): 本記事が扱う『黒い島』(Weird Tales誌1952年1月号掲載)は、パブリックドメインであるとは断定できません(理由は前作と同様)。本記事は原文からの引用を行わず、あらすじ・論評のみで構成しています。
概要
シリーズ最終作。クトゥルフを永遠に葬るべく「黒い島」を目指した一行の勝利は、原子爆弾すら通じない宇宙的な敵の前で虚しく崩れ去る。ダーレス版クトゥルフ神話連作を締めくくる、救いのない結末。
作品情報
- 執筆・発表年: 1952年発表(「Weird Tales」誌1月号)
- 主題タグ: 最終決戦、勝利の空しさ、深きものによる粛清
登場神格・用語
あらすじ
「ホルヴァス・ブレインの手記」という体裁を取るシリーズ最終作。シュルーズベリー一行は、クトゥルフを永遠に葬り去るべく「黒い島」を目指す。ルルイエから現れたクトゥルフに対し、一行は爆薬を仕掛けるが、怪物は何度でも再生してしまう。同行した提督は、ついに「あの兵器」——原子爆弾——の使用を決断する。しかしブレインは、自らに深きものの血が流れていることに気づき、彼らの呼び声を聞いてしまう。彼はエイベル・キーンがマサチューセッツで溺死したこと、そしてルルイエとクトゥルフが健在のまま生き残ったこと、深きものどもが自分を迎えに来ることを悟る。物語は、人類の(見かけ上の)勝利が宇宙的な力の前では何の意味も持たないという、救いのない結末で幕を閉じる。
読みどころと注目テーマ
原子爆弾すら通じない敵、内なる異形の血の目覚め、虚しく終わる勝利
執筆背景と影響
5年にわたる連作の締めくくりとして書かれ、人類側の「勝利」を宇宙的スケールで無効化してみせる結末が特徴。ラヴクラフト自身の作品に頻出する「人智の無力さ」というテーマを、ダーレスなりの大掛かりな決戦劇の形で再演した一作とされる。





