概要
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未発売タイトル(2026年9月24日発売予定) — 本記事はgamescom 2026での発表・公式サイト・トレーラー映像に基づく先行紹介です。発売後、実際のプレイ内容・評価を追記します。
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『CONTROL Resonant』は、フィンランドのRemedy Entertainmentが手がける『CONTROL』シリーズの新作で、2026年9月24日にPC(Steam/Epic Games Store)・PlayStation 5・Xbox Series X|Sで発売されます(Mac版は2026年後半に追加予定)。前作の主人公ジェシー・フェイデンの失踪を受け、彼女の弟ディラン・フェイデンがマンハッタンを蝕む超常的危機に立ち向かう物語です。Remedy公式は本作を、既存の脅威「ザ・ヒス」「ザ・モールド」に加え、新たな脅威「レゾナンス」が現れる作品と説明しており、主人公は「人類最後の防衛線」として位置づけられています。
前作『CONTROL』(2019年)は、Remedy公式が「After a secretive agency in New York is invaded by an otherworldly threat, you become the new Director struggling to regain Control」(訳: 「ニューヨークの秘密機関が異界の脅威に侵略された後、あなたは新任局長として『統制』を取り戻そうと奮闘することになる」)と説明する作品です[1]。舞台となる連邦統制局(FBC)は超常現象を調査・管理する架空の政府機関で、局舎「オルダス・ハウス」は建物自体が異空間的な性質を持ち、内部に侵入した敵性存在「ザ・ヒス」によって物理法則そのものが侵食されていきます。今作『CONTROL Resonant』は、この「異常を管理する組織が、管理しきれない対象と対峙する」という前作の骨格を引き継いだ続編です。
Remedy公式は本作を「thrilling action-adventure RPG」と説明し[2]、プレイヤーが操作するディランについて「Unleash the extraordinary powers of Dylan Faden as he fights for his humanity and survival against a reality-bending cosmic threat」(訳: 「現実を歪める宇宙的な脅威に対し、人間性と生存をかけて戦うディラン・フェイデンの並外れた力を解き放て」)と述べています[2]。開発には映画会社Annapurna Picturesが共同出資・共同製作として参加していることも公式に明かされています。
『CONTROL』シリーズも『ONTOS』も『SILENT HILL: Townfall』も、開発元がクトゥルフ神話の作品であると明言したことはありません。しかし今年のgamescomで発表されたこれらの新作は、いずれも「理解できないはずの現実」「人間の認識を超えた力」というラヴクラフトが確立した恐怖の型を、それぞれ異なる形で受け継いでいます。
コズミックホラーとしての表現
Remedy公式は本作を発表する記事で、脅威の性質を次のように説明しています。
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“a mysterious cosmic force reshapes reality itself”(訳: 「謎めいた宇宙的な力が、現実そのものを作り替える」)[3]
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「宇宙的(cosmic)」という語自体を公式が使っている点は見逃せません。前作『CONTROL』は、連邦統制局(FBC)という政府機関が管理する「オルダス・ハウス」という建造物の中で、現実の物理法則が崩壊していく様子を描きました。人間の理解の外側にある力が、住居や廊下といった見慣れた空間を静かに、しかし決定的に書き換えていく——この構図は、『クトゥルフの呼び声』でラヴクラフトが描いた「人類の知識には空白地帯があり、それを覗き込んだ者は正気を失う」という主題と同じ骨格を持っています。名指しの怪物ではなく、空間そのものが信用できなくなる恐怖です。
「専門機関が異常を管理・封じ込めようとするが、対象は組織の管理能力を超えてくる」という構図も、コズミックホラーというジャンルが繰り返し扱ってきたものです。ラヴクラフトの作品でも、ミスカトニック大学の学者たちが組織した南極探検隊が制御不能の脅威に直面する『狂気の山脈にて』のように、知を体系化しようとする制度そのものが対象の異質さの前で機能不全に陥る展開が繰り返し描かれています。連邦統制局という「異常を管理する組織」を主人公として据える『CONTROL』シリーズは、この構図をゲームの根本設計にまで落とし込んだ作品だと言えます。
gamescomで公開された映像には、建物の構造そのものが崩れ、道路や室内の向きが次々と変わっていく異常なマンハッタンが描かれています。現実そのものが万華鏡のように変形する場面もあり、Remedy公式の「現実そのものを作り替える」という説明が、そのまま映像として提示された形です。ディランは形状を変える武器「Aberrant」や、標識・車両の部品を浮かせて敵に投げつける念動力、空中での近接攻撃を組み合わせて戦うとされており、戦闘そのものが「見慣れた物体の性質が信用できなくなる」という主題を体現する設計になっています。
もう一つの様式: ONTOSとの比較
gamescomで新たなゲームプレイ映像が公開された『ONTOS』は、対照的な形でコズミックホラーの系譜に連なります。開発元Frictional Gamesの公式サイトおよびSteam公式ストアページは、月面のかつての採掘コロニー兼高級ホテル「Samsara」の廃墟を舞台に、”the nature of the soul, suffering, and the very fabric of reality itself”(訳: 「魂の本質、苦しみ、そして現実という構造そのもの」)を扱う作品だと説明しています[4]。ジャンルは公式に「SFミステリースリラー(sci-fi mystery thriller)」とされ、モンスターに追いかけられる伝統的なホラーではなく、Frictional Games創作ディレクターのThomas Grip氏が公式に”unnerving and unsettling”(不穏で落ち着かない)な感覚を狙ったと説明する、より内省的な作りです[5]。開発元Frictional Gamesは本作を、2015年の『SOMA』の精神的後継作と位置づけています。本作は2025年12月のThe Game Awardsでの発表当初、Xbox Series X|S・Xbox on PC向けにXbox Play Anywhereタイトルとして2026年配信予定と告知されていましたが[5]、Frictional Gamesは2026年7月、作品の規模と作り込みを理由に発売を2027年へ延期すると発表しました。現在のSteam公式ストアページおよびONTOS公式サイトは発売時期を2027年としており[4]、対応プラットフォームはPlayStation 5・Xbox Series X|S・PCになると報じられています[6]。
Frictional Gamesは、モンスターから逃げ隠れするサバイバルホラーの型を定着させた2010年の『Amnesia: The Dark Descent』、そして海底施設を舞台に「自分は本当に自分なのか」という同一性の恐怖を描いた『SOMA』で知られるスタジオです。ジャンプスケアに頼らず、じわじわと迫る不安と哲学的な問いかけで恐怖を組み立てる作風は、超自然の怪物そのものより「認識できてしまうこと」自体を恐怖の中心に据えるラヴクラフト作品の作法に近いものがあります。『ONTOS』がその系譜の最新作として、魂や存在の本質という抽象的な主題に踏み込む点は、スタジオの一貫した方向性の延長線上にあります。
gamescomのゲームプレイ映像で最も不穏なのは、人間の意識がネズミの群れで構成されたサーバーへ移されているという設定です。壁面を埋め尽くすネズミ入りのユニットが施設の中枢装置として機能しており、機械の奥から「自分の身体と意識を返してほしい」と訴える声が聞こえてくる場面が描写されています。プレイヤーは素材の回収や精密機械の操作、アナログ装置の調整を組み合わせるナラティブパズルに取り組みながら、その訴えを信じるかどうかという選択が任務の結末と以後の物語を左右するとされています。防疫表示や脳の部位を示すホワイトボード、椅子に拘束された人物といった実験室の描写は、怪物ではなく「人間そのものの扱われ方」への恐怖を前面に出しており、これは『CONTROL Resonant』の空間侵食型の恐怖とは明確に異なる恐怖の作り方です。
『CONTROL Resonant』が「外側から現実を侵食してくる宇宙的な力」を描くのに対し、『ONTOS』は「自分という存在の根拠そのものが揺らぐ」実存的な恐怖に軸足を置いています。この二つの様式は、ラヴクラフト自身の作品の中にもすでに存在する対比です。異形の神の目覚めという外部からの脅威を描く『クトゥルフの呼び声』に対し、『狂気の山脈にて』や『異次元の色彩』は、既知の科学や理性そのものが徐々に浸食され、内側から崩れていく恐怖を描きました。『CONTROL Resonant』と『ONTOS』は、この二つの伝統をそれぞれ独立に、しかも同じ年のgamescomで更新している点が興味深いところです。
補論: SILENT HILL Townfallの舞台装置
同時期に発表された『SILENT HILL: Townfall』にも触れておきます。1996年のスコットランドの孤島を舞台に、霧に包まれた町・不安定な信号・沈められた真実を扱う一人称視点の心理ホラーです。海辺の孤立した共同体、地中に沈んだ過去といった舞台装置は、外部から隔絶された寂れた漁村と、そこに住民たちが隠す秘密という構図を描いた『インスマスの影』を思わせるものではあります。ただし発表元Annapurna Interactiveの公式分類は明確に「心理ホラー」であり、宇宙的存在や人知を超えた宇宙観への言及は今のところ確認できていません。舞台装置の類似だけで安易にコズミックホラーの系譜へ組み入れることはせず、あくまで参考としての付記にとどめます。この作品は『SILENT HILL』シリーズの中でも近年注目されている新章にあたり、続報が入り次第、コズミックホラーとの接点があるかどうかを改めて検証します。
gamescom 2026 コズミックホラー系候補の比較
| タイトル | 開発・発表元 | 発売時期 | 公式ジャンル | コズミックホラーとしての様式 |
|---|---|---|---|---|
| CONTROL Resonant | 開発: Remedy Entertainment / 共同製作: Annapurna Pictures | 2026年9月24日 | アクションアドベンチャーRPG | 外側から現実を侵食する宇宙的な力(空間侵食型) |
| ONTOS | 開発: Frictional Games / 発行: Kepler Interactive | 2027年(時期未定)[4] | SFミステリースリラー | 存在・魂の根拠が揺らぐ実存的恐怖(内面浸食型) |
| SILENT HILL: Townfall | 発表: Annapurna Interactive(開発元は本記事の情報源からは未確認) | 未定 | 心理ホラー | 舞台装置がラヴクラフト的読みを誘うが公式には非該当 |
独自の要素・原典との違い
いずれの作品も、原典・ダーレス以降の拡張・TRPGという三層のいずれにも属さない、ゲームメディアによる独立した創作です。クトゥルフやネクロノミコンといった固有名詞を使わない理由は各社とも明言していませんが、独自の世界観・独自のIPとして展開する方が、続編やスピンオフを含めた長期的なシリーズ展開の自由度が高いという事情は一般的な業界動向として指摘できます。名指しの神話作品を離れても成立するほど、ラヴクラフトが確立した恐怖の作法——理解できない現実、機能不全に陥る組織、崩れていく自己認識——がジャンルとして自立していることの表れとも言えるでしょう。
『CONTROL Resonant』は2026年9月24日の発売後、実際の評価やレゾナンスという新脅威の具体的な描写を本記事に追記する予定です。『ONTOS』・『SILENT HILL: Townfall』についても、続報が入り次第、コズミックホラーとの接点を改めて検証します。
出典
- [1] Remedy Entertainment「Control」公式ゲームページ。原文: “After a secretive agency in New York is invaded by an otherworldly threat, you become the new Director struggling to regain Control.”(取得日 2026-09-14) — https://www.remedygames.com/games/control ↩
- [2] Remedy Entertainment「CONTROL Resonant」公式ゲームページ。原文: “In CONTROL Resonant, players will explore a warped Manhattan on the brink of paranatural annihilation in this thrilling action-adventure RPG. Unleash the extraordinary powers of Dylan Faden as he fights for his humanity and survival against a reality-bending cosmic threat.”(取得日 2026-09-14) — https://www.remedygames.com/games/control-2 ↩
- [3] Remedy Entertainment公式記事「CONTROL Resonant Launches Worldwide on September 24」。原文: “A new form of resonance, alongside the Hiss and the Mold, is warping Manhattan as a mysterious cosmic force reshapes reality itself.”(取得日 2026-09-14) — https://www.remedygames.com/article/control-resonant-launches-worldwide-on-september-24 ↩
- [4] ONTOS公式サイトおよびSteam公式ストアページ。原文: “Confront existential questions that will make you question the nature of the soul, suffering, and the very fabric of reality itself.”。両ページとも発売時期を「2027」と表記している(当初発表の2026年発売予定からの延期後の表記であることを本サイトが2026年9月14日に確認)(取得日 2026-09-14) — https://www.ontosgame.com ・ https://store.steampowered.com/app/2924520/ONTOS ↩
- [5] Xbox Wire公式記事「Introducing Ontos – Frictional Games’ Spiritual Successor to Soma」(著者: Thomas Grip、Frictional Games Creative Director、2025年12月11日)。原文: “We’ve taken time to create a world and story that is unnerving and unsettling.”、および記事概要の “Ontos is a sci-fi mystery thriller coming to Xbox Series X|S and Xbox on PC as an Xbox Play Anywhere title in 2026.”。この記事が示す2026年・Xbox向けという発売時期・プラットフォーム情報は、その後[4]の2027年表記に更新されている(本サイトが2026年9月14日に確認)(取得日 2026-09-14) — https://news.xbox.com/en-us/2025/12/11/introducing-ontos-frictional-games-spiritual-successor-to-soma ↩
- [6] 延期後の対応プラットフォームについて、公式ページ単体では3機種すべての明記が確認できなかったため、編集体制のあるゲームメディア2件の報道に基づき「〜と報じられている」として記載する。Eurogamer(著者Connor Makar、記事名: Soma dev’s next game, Ontos, delayed to 2027 in order to deliver on studio’s ambitious vision)はPC・PS5・Xbox Series X/Sでの発売と記載し、Gematsu(著者Sal Romano、2026年7月2日、記事名: ONTOS delayed to 2027)もPlayStation 5・Xbox Series・PC(Steam/Epic Games Store)での発売になると報じている。本サイトはこの3プラットフォーム表記について公式一次資料での直接確認はできていない(取得日 2026-09-14) — https://www.eurogamer.net/ontos-delayed-to-2027 ・ https://www.gematsu.com/2026/07/ontos-delayed-to-2027 ↩


