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if.C

ふしぎな「たまご」から生まれた、かわいくもおぞましい怪物を育てるフリーゲーム『if.C』を紹介。

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概要

『if.C』は、クトゥルフ神話TRPGのリプレイ動画投稿者として知られる、あたりめ氏が公開したWindows向けの無料育成ゲームです(RPGツクールVX製)。物語の舞台は「平和になった宇宙」。ある日ふしぎな「たまご」を見つけたあなたは、そこから生まれた未知の存在――かわいらしく、どこかおぞましい怪物と出会い、世話をしながら暮らしていきます。プレイ時間は1〜2時間、エンディングは1つで、作者自身が「のんびりまったり育成ゲームでありホラーではない」と明言している通り、恐怖よりも愛着を楽しむ小品です。多少の残酷要素を含むほかは肩の力を抜いて遊べる作りで、実況や二次創作も公式に歓迎されています。

クトゥルフ神話との関係

育てる怪物のモチーフになっているのがクトゥルフ神話の神話生物たちです。個体ごとに好きな食べ物と嫌いな食べ物が設定されており、日々の世話の内容によって成長の様子が変わっていきます。海底で眠りにつくクトゥルフ自身がそうであるように、神話の存在たちは本来、人間の理解も愛情も受け付けない宇宙的恐怖の象徴です。その彼らを「たまごから育てる」という発想は、恐怖の対象との距離を極限まで縮める遊びであり、タイトルの「if」が示唆する通り、邪神と人類が敵対しなかったもしもの世界を覗くような味わいがあります。

独自の要素・原典との違い

「オゾマシカワイイ」と評された怪物のデザインが本作最大の魅力で、デフォルメされた愛らしさの奥に神話生物らしい不穏さが同居しています。原典では畏怖の対象でしかない存在に餌をやり、成長を見守るという営みは、恐怖の物語としてのクトゥルフ神話を、慈しみの物語へと静かに裏返す試みと言えます。同作者の『SAVE』が復讐と喪失を描く重い神話RPGであるのに対し、本作は同じ神話モチーフを穏やかな日常に落とし込んでおり、二作を並べると「同じ素材から正反対の物語を紡ぐ」作者の引き出しの広さがよく分かります。フリーゲームらしい短さも含めて、神話びいきの息抜きにちょうどよい一作です。

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