概要
ゼリア・ビショップ(1897-1968)は、アメリカの作家。主に恋愛小説を手がける一方、H・P・ラヴクラフトとの共作という形で発表した3編の怪奇小説によって、クトゥルフ神話史にその名を残している。実際にはラヴクラフトが着想を大幅に膨らませ、実質的に代作(ゴーストライティング)したというのが今日の学術的な共通理解である。
基本情報
- 生年月日:1897年6月4日(ノースカロライナ州アシュビル生まれ)
- 没年月日:1968年6月29日(71歳で死去)
- 国:アメリカ合衆国
- 主な活動分野:小説家(恋愛小説・怪奇小説)
生涯と主な仕事
最初の結婚に離婚後、クリーブランドで裁判所速記者として働きながらコロンビア大学でジャーナリズムを学び、生計を補うために記事や小説を執筆していたビショップは、書店経営者サミュエル・ラヴマンの紹介で1928年頃にH・P・ラヴクラフトと知り合った。当時ラヴクラフトは「リビジョン(添削・代作)サービス」を営んでおり、ビショップは駆け出しの書き手として指導を仰ぐ依頼者の一人となった。二人は1937年にラヴクラフトが没するまで文通を続けた。後年ビショップは再婚してカンザスシティに移り、地元紙の団体活動やクレイ郡の郷土史執筆などに携わっている。
クトゥルフ神話への貢献
ビショップ名義で発表された3作——「イグの呪い」(1929年)、「メデューサの髪」(Medusa’s Coil、1939年)、「マウンド」(The Mound、ラヴクラフト没後の1940年発表)——は、いずれもビショップが伝えたオクラホマ州の土地にまつわる話や着想をもとに、ラヴクラフトが大幅に加筆・執筆したものである。特に「メデューサの髪」と「マウンド」は、ビショップが妹の農場を訪れた際に耳にしたオクラホマ州の伝承——ビンガー近郊の「亡霊の丘」等——に着想を得たとされるが、実際の文章のほとんどをラヴクラフトが書き上げており、研究者の間ではラヴクラフトによる実質的な代作(ゴーストライティング)であったという理解が定着している。1953年にはアーカム・ハウスから、この3作にラヴクラフトとオーガスト・ダーレスそれぞれの人物評を加えた作品集『The Curse of Yig』が刊行された。
主要作品
- 「イグの呪い」(The Curse of Yig、1929年)
- 「メデューサの髪」(Medusa’s Coil、1939年)
- 「マウンド」(The Mound、1940年、ラヴクラフト没後発表)
- 『The Curse of Yig』(短編集、アーカム・ハウス、1953年)
参考資料
- Wikipedia “Zealia Bishop” https://en.wikipedia.org/wiki/Zealia_Bishop
- H.P. Lovecraft Wiki “Zealia Bishop” https://lovecraft.fandom.com/wiki/Zealia_Bishop
- Wikisource “Author: Zealia Bishop” https://en.wikisource.org/wiki/Author:Zealia_Bishop





