小説 — The Very Old Folk

いにしえの民

ローマ属州ヒスパニアで山中の太古の民を追う懲罰隊を描いた悪夢。ラヴクラフト自身が見た夢の記録。

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いにしえの民

「そのとき突然、空の星という星がことごとく掻き消えた——前方に輝くデネブとヴェガさえも、後方の孤高のアルタイルとフォーマルハウトさえも。そして松明がことごとく消え尽きたとき、打ちのめされ悲鳴を上げる隊列の上方には、聳え立つ山々に灯る禍々しく恐ろしい祭壇の火だけが残った。それは地獄のように赤く、フリギアの神官もカンパニアの老婆もどれほど際どい忍び話の中でさえ囁いたことのなかったような、狂おしく躍り上がる巨大な名状しがたい獣どもの姿を、今や浮かび上がらせていた。」

— H・P・ラヴクラフト「いにしえの民」(1927年11月、ドナルド・ワンドレイ宛書簡/1968年発表、アーカムハウス版短編集『The Horror from the Hills』)クライマックスの襲撃場面

概要

ローマ帝国属州ヒスパニアを舞台に、山中の「太古の民」による人身供犠の噂を追う懲罰隊を描いた悪夢。ラヴクラフト自身が実際に見た夢を書簡に綴ったもの。

作品情報

  • 原題: The Very Old Folk
  • 執筆・発表年: 1927年11月、ドナルド・ワンドレイ宛書簡に記される/1968年発表(アーカムハウス版短編集『The Horror from the Hills』に初収録)
  • 主題タグ: ラヴクラフト自身が見た悪夢の記録、ローマ属州ヒスパニアという舞台、山中の「太古の民」への恐怖

あらすじ

ローマ帝国ヒスパニア属州の町ポンペロ(現パンプローナ)に赴任した語り手が見た悪夢を綴る。毎年のサバトの夜、山中の「太古の民」が住民を拉致し儀式を行うと噂され、商隊襲撃を機に語り手は懲罰隊を率いて祭祀場へ向かう。接近する一行を、松明が消え馬が悲鳴を上げる闇の中、巨大な羽ばたきと共に何かが襲い、そこで語り手は目覚める。

読みどころと注目テーマ

ラヴクラフト自身が見た悪夢がそのまま作品化された成立過程、ローマ属州という珍しい舞台設定、松明が消える闇の中の襲撃という恐怖の演出

執筆背景と影響

ラヴクラフト自身が見た夢を記録したもので、生前は書簡の中でのみ知られていた。フランク・ベルナップ・ロングが自作(『恐怖の山』)への翻案許可を求めたことでも知られる。

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