概要
『Cthulhu Dark Ages』は、クトゥルフの呼び声TRPGに中世という舞台を持ち込んだ設定資料集です。原型はPegasus Spieleの独語版『Cthulhu 1000 AD』(著者ステファン・ゲスベール)で、英語版初版は2004年にChaosiumから刊行され、同年のENnie Awardsで「Best non-d20 RPG」賞を受賞。2020年には第7版対応の第3版(フルカラー270ページ)が出ています。日本語版『クトゥルフ・ダークエイジ』は2005年4月に新紀元社のRole&Roll RPGシリーズから刊行されました。
クトゥルフ神話との関係
舞台は西暦950〜1050年の「暗黒の中世」。起点となる950年は、ビザンティンのテオドラス・フィレタスが『アル・アジフ』をギリシャ語に翻訳し『ネクロノミコン』と改題したとされる年で、この魔道書の伝播史がそのまま時代設定の導入になっています。初版は大陸ヨーロッパを、第3版はアングロサクソン期イングランドを舞台とし、近代的な探索手段を持たない時代に神話の恐怖と対峙する体験を描きます。
独自の要素・原典との違い
1920年代アメリカを標準とする本編との最大の違いは、歴史再現に徹しない大胆な世界観の再構築です。日本語版の紹介にあるとおり、北欧神話・ゲルマン神話・聖書を著者独自の視点で取り込み、クトゥルフ神話以外の地球の宗教を起源とする魔術を集めた「オールド・グリモア」の章や、『クトゥルフ神話TRPG』と互換性のある中世武器データを収録。剣と信仰の時代ならではの神話ホラーを遊べる一冊です。

