概要
『クトゥルフの呼び声TRPG』は、ゲームデザイナー・サンディ・ピーターソンが1981年に創刊したテーブルトークRPGの傑作です。プレイヤーが「探索者」となり、宇宙の真理を目撃して正気度を失いながら、未知の恐怖に立ち向かう世界観を体験します。日本では1990年代にホビージャパンから発行され、現在ではKADOKAWAから最新版『クトゥルフ神話TRPG』が刊行されており、40年以上にわたって多くのプレイヤーに愛され続けています。
クトゥルフ神話との関係
本作は、ラヴクラフトが創造したクトゥルフ神話の世界観を最も忠実に体験できるメディアです。ゲーム内で扱われるエンシェントワン(旧支配者)、魔道書、カルト、怪物といった要素は全てラヴクラフト作品に由来しており、プレイヤーは原典に登場する架空の都市アーカムやインスマス、ミスカトニック大学などを舞台に活動します。ゲームシステムの中核である「正気度(SANITYポイント)」という概念も、原作における人間の理性が宇宙的恐怖に直面することで喪失される描写を直接ゲーム化したものです。
独自の要素・原典との違い
TRPGという相互作用的なメディアの性質上、本作はプレイヤーの選択に応じた無限の物語を生み出します。原作小説の固定されたストーリーを超え、実在する1920年代のアメリカを舞台に、マスター(ゲーム進行役)とプレイヤーが協力して独自のシナリオを構築します。正気度システムにより、キャラクターが知識を得るたびに精神が蝕まれていく独特のゲームプレイが実現され、勝利が必ずしも報酬にならない、原典の不可解さを制度化しています。また、複数の拡張ルールや時代設定(現代、1920年代、異なる地域など)により、ラヴクラフト宇宙の拡張解釈が促進されています。




