概要
『クトゥルフダンジョン』は、個人開発チームのさむずあっぷプロジェクトが2016年11月に配信を開始したスマートフォン向けの基本無料ボードRPGです。プレイヤーはダイスを振ってキャラクターの能力値を決め、宿に泊まった冒険者たちをすごろく状のダンジョンへ送り込みます。人間・エルフ・ドワーフ・ドラゴンなど複数の種族と約30種類の職業から冒険者を選べ、先の見えているマスに向かってサイコロを振り、道を選び、宝石を集め、行く手に現れる神話の怪物と「戦うか逃げるか」を決断していきます。運と選択が絡み合うアナログゲーム的な手触りが持ち味で、累計5万ダウンロードを超えた人気作です。2026年7月現在はApp Storeで配信されています。
クトゥルフ神話との関係
本作の世界は剣と魔法の王道ファンタジーですが、ダンジョンの奥に巣食うのはドラゴンやゴブリンではなく、クトゥルフ神話に由来する異形の神話生物たちです。ダイスで能力値を決めて冒険者を作り、探索の成否を出目に委ねるという遊びの骨格は、クトゥルフ神話TRPGをはじめとする卓上RPGの体験をスマホ一台に落とし込んだものです。強大すぎる相手からは逃げることも正しい選択になる、という設計には、神話生物と人間の圧倒的な力の差、すなわち宇宙的恐怖の発想が反映されています。神話ゲーム全体の中での位置づけはクトゥルフ神話ゲーム総覧も参照してください。
独自の要素・原典との違い
原典の神話が現代(1920〜30年代)のアメリカを主な舞台とするのに対し、本作は「ファンタジー世界×クトゥルフ」という異色の掛け合わせを打ち出しています。探索者は学者や探偵ではなく剣士や魔法使いであり、狂気に呑まれる絶望よりも、冒険者を取っ替え引っ替え送り込む宿屋運営のリプレイ性が楽しさの中心です。ドット絵ベースのデフォルメされた見た目も相まって恐怖描写は控えめで、神話生物を「強敵ボス」として気軽に味わえる入門的な一作になっています。なおGoogle Play版は現在配信が確認できないため、遊ぶ場合はApp Store版が入口になります。

