映画

Color Out of Space(カラー・アウト・オブ・スペース ―遭遇―)

リチャード・スタンリー監督約27年ぶりの復帰作。ニコラス・ケイジ主演の「宇宙からの色」翻案。

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概要

2019年公開、リチャード・スタンリー監督・脚本によるSFホラー映画。ニコラス・ケイジ、ジョエリー・リチャードソンが主演し、H・P・ラヴクラフトの短編「宇宙からの色」を原作とする。隕石の落下をきっかけに、農場を営むガードナー一家とその土地・生物が未知の「色」に侵食されていく様を描く。

監督スタンリーにとって1990年代以来の長編復帰作としても話題になった。日本では邦題「カラー・アウト・オブ・スペース ―遭遇―」としてソフト・配信で展開されている。

クトゥルフ神話との関係

本作は「宇宙からの色」の設定、すなわち隕石とともに飛来した未知の「色」が土地・水・植物・動物・人間の精神と肉体を内側から侵食していくという筋立てを踏襲しており、特定の神格名や教団組織を介さずとも成立するコズミックホラーの純度の高さという原作の本質を維持している点が特徴である。

人間の理解や科学的説明を拒絶する「色」という存在は、明確な神格というより宇宙そのものの無関心・非人間性を象徴する装置として機能しており、この点はクトゥルフのような明確な神格を描く作品群とは異なる、ラヴクラフト作品のもう一つの核である「不可知の恐怖」を色濃く継承している。

独自の要素・原典との違い

原作が19世紀末を舞台にした農夫一家の記録という抑制的な筆致であるのに対し、映画版は現代のアメリカ郊外に舞台を移し、ニコラス・ケイジ演じる父親の精神変調を軸に、家族関係の軋轢や思春期の娘の葛藤といった現代的なドラマ要素を大幅に追加している。

視覚効果として色彩そのものを禁色として演出するCGアレンジ、変異した動物など原作にはない具体的なクリーチャーデザインが登場し、原作の「言葉にできない色」という抽象的な恐怖を、より直接的なボディホラー表現へ翻訳している点が大きな相違点である。監督スタンリー自身が長年のラヴクラフト愛読者であることから、細部には原作へのオマージュが散りばめられている。

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