編集部注(二次資料併用): エルトダウンの粘土板を最初に考案したのはH・P・ラヴクラフトの文通仲間
リチャード・F・サーライトであり、彼の短編「封印された小箱」(1935年)が真の初出とされる。しかし
同作はWikisource等に一次資料(全文)が見当たらないため、その執筆経緯・作者情報は複数の信頼できる
二次資料(H.P. Lovecraft Wiki、Franklyn Searight他による2016年再録本”Those Dreadful Eltdown
Shards”の書誌情報)による。一方、粘土板そのものがクトゥルフ神話に組み込まれた場面——ラヴクラフト
自身が輪作小説「彼方からの挑戦」(1935年、Fantasy Magazine掲載)に寄稿した一節で言及している箇所
——はWikisourceに全文が公開されているパブリックドメイン原典であり、この部分は一次資料として
直接引用・検証済みです。
概要
南イングランドのサセックス州エルトダウン近郊、先カンブリア紀(または石炭紀以前)の地層から発掘されたとされる23枚の粘土板。硬く、大きさも形も不揃いで、人類が存在し得なかった時代の地層から出土したにもかかわらず、判読不能な文字が刻まれているという設定を持つ禁断の考古遺物。
基本プロフィール
- 分類: 禁書(考古遺物としての性質を持つ)
- 欧文表記: ELTDOWN SHARDS
- 初出・出典: リチャード・F・サーライト「封印された小箱」(1935年、二次資料による)。クトゥルフ神話への組み込みはH・P・ラヴクラフトの輪作小説「彼方からの挑戦」寄稿部分(1935年9月)で確認可能
由来と歴史 / 詳細設定
ラヴクラフト自身の筆による「彼方からの挑戦」の一節によれば、エルトダウンの粘土板は「30年前に南イングランドの石炭紀以前の地層から発掘された、疑わしく不穏な粘土の断片」と描写される。作中では、1912年頃にサセックスの牧師アーサー・ブルック・ウィンターズ=ホール師が私費で「翻訳」なるものを出版し、その中に人類誕生以前の著者による物語——蠕虫状の異星種族が銀河間を股にかけ、催眠効果を持つ結晶立方体を用いて他の惑星に精神を送り込む、という筋書き——が記されていたとされる。
サーライトの原作「封印された小箱」では、この粘土板は1882年にエイベル・ダルトン博士とナイジェル・ウッドフォード博士(ケンブリッジ大学)による地質調査で発見されたと設定されている(二次資料による)。粘土板の真の記述者については、旧支配者(古のもの)の記録とする説と、イースの大いなる種族によるものとする説の両方がファンダム上で語られているが、この対立自体はラヴクラフト自身の原典では確認できない後年の整理である。
性質と影響
「ラヴクラフト・サークル」の周辺作家(サーライトのような比較的知名度の低い文通仲間)が考案した設定を、ラヴクラフト自身が輪作小説の中で拾い上げて言及したという、神話の「相互引用」的な広がりを示す好例。プナコティック・マニュスクリプトやネクロノミコンと並ぶ「太古の記録媒体」の一つとして位置づけられる。
関連する用語
イースの大いなる種族、古のもの、彼方からの挑戦、プナコティック・マニュスクリプト


