編集部注(著作権について): 本記事が扱う『鍵の番人』(Weird Tales誌1951年5月号掲載)は、パブリックドメインであるとは断定できません(理由は前作と同様)。本記事は原文からの引用を行わず、あらすじ・論評のみで構成しています。
概要
シュルーズベリー博士が人気作家を伴い、アラビアの砂漠深くに眠る「名もなき都市」と『ネクロノミコン』の完全な写本を求める。シリーズ全体の設定の裏側——肉体と魂が分離していたという真相——が明かされる一作。
作品情報
- 執筆・発表年: 1951年発表(「Weird Tales」誌5月号)
- 主題タグ: アラビアの秘境探索、『ネクロノミコン』の原本、肉体と魂の分離という真相
登場神格・用語
あらすじ
クトゥルフとの戦いを続けるシュルーズベリー博士は、著名な作家ネイランド・コラムを仲間に引き入れ、オマーンのサラーラからキャラバンを率いてイエメン国境を越え、『ネクロノミコン』が「ロバ・エル・ハーリーヤ」と呼ぶ未踏の砂漠地帯を目指す。二人は砂漠の奥で名もなき都市の廃墟と、アブドゥル・アルハザードの亡骸を発見。その霊の導きにより、原初の(断片的な)『ネクロノミコン』写本を手に入れる。ここで衝撃の真相が明かされる——これまでの一連の事件を通じて、シュルーズベリーとその仲間たちは実際に星間を旅していたのではなく、彼らの「生命の本質、魂、幽体」だけがセラエノへと旅し、肉体はアラビアの砂の下、地下トンネルに隠された木製の柩の中に安置され続けていたのだ。帰路の船上で正体不明の何かに襲われた二人は、バイアクヘーを呼び寄せて辛くも脱出するが、世間は二人を死亡したものと信じている。
読みどころと注目テーマ
シリーズ全体の謎が明かされる真相、アラビアの秘境探索、生死の境界の曖昧さ
執筆背景と影響
前3作を通じて張られてきた「肉体はどこにあるのか」という伏線がここで回収される、連作の要となる一編。『ネクロノミコン』の断片的写本という設定は、ラヴクラフト自身の「ネクロノミコンの歴史」が描いた出版史とは別に、ダーレス独自の追加設定として神話に組み込まれた。





