概要
E・ホフマン・プライス(1898-1988)は、アメリカのパルプ小説家。西部劇からオリエンタルな冒険物、怪奇小説まで六十年におよぶ執筆生活で500編以上の物語を発表した、自称「フィクショニア」。陸軍士官学校ウェストポイントを卒業した元軍人という異色の経歴を持ち、1932年にニューオーリンズでH・P・ラヴクラフトと直接対面した数少ない神話作家の一人として知られる。
基本情報
- 生年月日:1898年7月3日(カリフォルニア州ファウラー生まれ)
- 没年月日:1988年6月18日(カリフォルニア州レッドウッドシティで死去、89歳)
- 国:アメリカ合衆国
- 主な活動分野:パルプ小説家(冒険小説・怪奇小説)
生涯と主な仕事
陸軍士官学校ウェストポイントを1923年に卒業したプライスは、第一次世界大戦の欧州戦線やメキシコ・フィリピンでの従軍を経て、1924年にユニオンカーバイド社に入社。1932年に同社を解雇されたことを機に、専業作家としての道を歩み始めた。1924年に発表した短編でデビューして以降、『ウィアード・テイルズ』誌には1925年から1950年にかけてソロ作品だけで24編を発表するなど、東洋的・中東的な舞台設定を得意とする多作家として名を知られた。SF作家ジャック・ウィリアムスンからは「本物の義勇兵(soldier of fortune)」と評されている。
1932年6月、プライスはニューオーリンズを訪れた際にH・P・ラヴクラフトと直接対面した。当時ラヴクラフトと文通していた作家の多くが一度も本人と会えなかったのに対し、プライスは実際に顔を合わせて交流した数少ない一人だった。1970〜80年代には再評価の機運が高まり回想録も刊行され、1984年には世界幻想文学大賞生涯功労賞を受賞した。1988年、カリフォルニア州レッドウッドシティで89歳で死去した。
クトゥルフ神話への貢献
プライスとラヴクラフトの協働の集大成が、1934年7月号の『ウィアード・テイルズ』に掲載された「銀の鍵の門を越えて」である。「銀の鍵」の続編として、プライスが約6000語の草稿を書き上げ、これをラヴクラフトが大幅に加筆・改稿して約14000語の完成稿に仕上げたことが知られている。ランドルフ・カーターが宇宙的な意識の広がりを経験する本作は、プライス自身の神智学・東洋思想への関心とラヴクラフトの宇宙的恐怖観とが融合した、両者の共作の中でも特に緊密な一編と評されている。
主要作品
- 「銀の鍵の門を越えて」(Through the Gates of the Silver Key、H・P・ラヴクラフトとの共作、1934年)
- 『Book of the Dead: Friends of Yesteryear, Fictioneers & Others』(回想録、2001年、没後刊行)
参考資料
- Wikipedia “E. Hoffmann Price” https://en.wikipedia.org/wiki/E._Hoffmann_Price
- H.P. Lovecraft Wiki “E. Hoffmann Price” https://lovecraft.fandom.com/wiki/E._Hoffmann_Price
- SFE: The Encyclopedia of Science Fiction “Price, E Hoffmann” https://sf-encyclopedia.com/entry/price_e_hoffmann






