ゲーム(1周年記念キャンペーン実施中) — Boukyaku Zenya (Morimens) 1st Anniversary

忘却前夜 サービス開始1周年

オルトプラスのカードRPG『忘却前夜』(グローバル版『Morimens』の日本版)が2026年8月19日にサービス開始1周年を迎え、8月6日から10月15日まで記念キャンペーンを実施している。公式が「クトゥルフ群像劇×深遠な世界観」と謳い、宣伝文には「銀の鍵」というラヴクラフト由来の語も使われている。

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概要

株式会社オルトプラス(東京都豊島区、代表取締役 石井武)が運営するカードRPG『忘却前夜』が、2026年8月19日にサービス開始1周年を迎えた[1]。記念キャンペーンは2026年8月6日から10月15日までの長期開催で、8月20日には新キャラクター「クレメンタイン」も登場する。ログインミッションでは最大100連分のガチャアイテム×2やSSR限定覚醒体1体が獲得でき、特別なSSR運命の札「無垢なる純銀」は毎日プレゼントされ最大16枚受け取れる仕組みだ[1]。ファンアート企画「#忘却前夜記憶アーカイブ」も8月10日から31日まで実施され、対象ハッシュタグ付きの投稿が10件集まるごとに全プレイヤーへ「シルバーコア」×200が配布される。

運営会社オルトプラスについて

『忘却前夜』日本版を運営する株式会社オルトプラスは、2010年5月6日設立、東京都豊島区(サンシャイン60内)に本社を置く企業で、東証スタンダード市場に上場している(証券コード3672、2013年3月14日上場)[3]。事業内容はソーシャルゲームの企画・開発・運営、およびITサービスの開発・運営支援である[3]。ソーシャルゲーム業界の草創期から活動してきた企業が、コズミックホラー題材の本格カードRPGを手がけている点は、この分野の裾野が広がってきたことの一例と言える。国内スタジオが直接ゼロから開発したオリジナル作品ではなく、アジア圏で先に評価を確立した『Morimens』を日本向けにローカライズ・運営するという形態を取っている点も、記録しておく価値がある。

どんなゲームか

『忘却前夜』は、アジア地域を中心に高評価を得た『Morimens』の日本ローカライズ版だ。App Store公式ページによれば「メインストーリーは総テキスト量80万字超え」の大ボリューム作品とされる[2]。世界観は、「融蝕」と呼ばれる、存在そのものを世界から消し去っていく現象を軸に展開し、プレイヤーは「守秘者」となって崩壊しつつある世界でこの災厄に立ち向かい、失われた記憶と運命の真実に迫る旅を進める[1][2]。ゲームシステムは戦略性の高いカードバトルとローグライク要素を組み合わせ、4つの陣営「界域」によるデッキ構築が特徴だ[2]。App Store版は4,849件の評価で4.8/5という高評価を獲得している。

「クトゥルフ群像劇」と謳う理由——宣伝文に埋め込まれた「銀の鍵」

App Store公式ページの説明文は、この作品の世界観を「クトゥルフ群像劇×深遠な世界観」と明記している[2]。さらに、世界の終焉に向かう様子を「沈黙の墓標が唯一の証となり、銀の鍵が未知なる扉を開く」という一文で表現している[2]。

「銀の鍵」は、ラヴクラフトの原典に実在する固有名詞だ。当サイトが扱う「銀の鍵」は、30歳で「夢の扉の鍵」を失った探求者ランドルフ・カーターが、祖先の屋根裏部屋で見出した鍵によって、幼少期の記憶と時間そのものの向こうへ姿を消すという物語だ。原典における「銀の鍵」は、時空の門を開き多次元世界への越境を可能にする遺物として設定されている。『忘却前夜』の宣伝文が使う「銀の鍵が未知なる扉を開く」という言い回しは、この原典の設定と機能的に重なる。「失われた記憶」を巡る旅という『忘却前夜』のストーリー全体の軸も、カーターが銀の鍵によって幼少期の記憶の彼方へ消えていく原典の筋書きと、テーマ的な響き合いが見て取れる。

タイトルの「忘却前夜」自体も、この響き合いを補強する。「融蝕」によって存在が世界から消え去り、やがて「記録からも忘れ去られる」という設定は、忘却そのものを恐怖の帰結として描いている。ラヴクラフト原典の「銀の鍵」もまた、カーターという一人の人間が時間の外側へ消え去り、現実の側からは行方不明のまま忘れ去られていく物語である。両者が直接的な原作関係にあるわけではないが、「忘れられること」を恐怖の終着点に据える発想そのものは、コズミックホラーというジャンルが好んで扱ってきた主題の一つだと言える。人間が抗えない力の前に消え去るだけでなく、消え去った事実さえ誰の記憶にも残らないという二重の喪失は、ラヴクラフト作品が繰り返し扱ってきた「人類の卑小さ」というテーマの、現代的な変奏として読むこともできる。

神話の三層で見るとどこに位置するか

ただし、ここは慎重に見る必要がある。参照した公式資料の範囲では、「忘却前夜」の世界観に、クトゥルフやニャルラトホテプといった原典の神格名がそのまま登場するとは確認できていない。「守秘者」「融蝕」「界域」といった用語は、いずれもこの作品独自の造語であり、当サイトが整理している原典/ダーレス系拡張/TRPG設定という三層のどこかにそのまま位置づけられる借用ではない。「銀の鍵」という具体的な固有名詞の引用と、「クトゥルフ群像劇」という公式の自己規定はある一方で、神格・地名・魔導書といった体系そのものを借りているわけではなく、原典の雰囲気とキーワードを引用しつつ独自の神話体系を新規に構築した作品、と位置づけるのが正確だろう。原典の固有名詞を一つだけ精確に引用しつつ、それ以外はすべて独自設定で埋めるという作り方は、原典を丸ごと下敷きにする翻案とも、神格をそのまま借用する拡張とも異なる、第三の関わり方だと言える。

他のホラーIPとのコラボレーション

『忘却前夜』は今回の1周年に限らず、他のホラー作品とのコラボレーションも行ってきた。2026年5月22日には、サスペンスホラーアドベンチャー『沙耶の唄』とのコラボPVが公開された[4]。『沙耶の唄』は「『魔法少女まどか☆マギカ』や『PSYCHO-PASS サイコパス』などの話題作を世に送り届けた鬼才・虚淵玄(ニトロプラス)がシナリオを手掛けた」2003年の作品と紹介されている[4]。コラボ主題歌「忘却の彼方」は、歌唱いとうかなこ、作詞小岩井ことり、作曲F.R.K.@B.I.A.V. Studioという体制で制作された[4]。ただし『沙耶の唄』自体はクトゥルフ神話とは異なる系統のホラー作品であり、この点は『忘却前夜』がクトゥルフ的な世界観に限定されない、広くホラージャンル全般とのコラボレーションを積極的に行う作品であることを示す事例として捉えるのが適切だろう。

すでにある記事との関係

当サイトには2026年7月26日付ですでに『忘却前夜』の紹介記事(`boukyaku-zenya`)が存在する。ただしこの記事はサービス開始から間もない時期に書かれた短い紹介にとどまっており、今回の1周年記念キャンペーンより前の内容である。本稿は、1周年という新しい出来事と、「銀の鍵」という原典由来の語をめぐる考察を中心に、既存記事を補う形で書いている。将来的には、既存記事の側にも今回確認した内容を反映し、1本の記事として統合することが望ましい。

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出典

  • [1] 運営会社「株式会社オルトプラス」、1周年到達日「2026年8月19日」、記念キャンペーン期間「2026年8月6日〜10月15日」、新キャラクター「クレメンタイン」の8月20日実装、ミッション報酬(最大100連分のガチャアイテム×2、SSR限定覚醒体1体)、毎日配布のSSR運命の札「無垢なる純銀」(最大16枚)、ハッシュタグ企画「#忘却前夜記憶アーカイブ」(8月10〜31日、10件ごとにシルバーコア×200を全員に配布)、ゲーム概要「幻想的かつ重厚な世界観と、戦略性の高いバトルが魅力のカードRPG」「崩壊しつつある世界で『融蝕』と呼ばれる災厄に立ち向かい、失われた記憶と運命に挑む旅」の記載がある — 株式会社オルトプラス プレスリリース, prtimes.jp ↩
  • [2] 開発元「AltPlus Inc.」、ジャンル「コズミックホラー系カードRPG」、『Morimens』の日本ローカライズ版であること、「メインストーリーは総テキスト量80万字超え」、世界観「クトゥルフ群像劇×深遠な世界観」、「沈黙の墓標が唯一の証となり、銀の鍵が未知なる扉を開く」という表現、プレイヤーが「守秘者」となること、4つの陣営「界域」によるデッキ構築、4,849件の評価で4.8/5の評価であることが記載されている — 忘却前夜アプリ, App Store公式ページ, apps.apple.com ↩
  • [3] 株式会社オルトプラスが2010年5月6日設立、本社が東京都豊島区東池袋3-1-1サンシャイン60 45F、事業内容が「ソーシャルゲームの企画、開発及び運営、ITサービスの開発及び運営支援」であること、証券コード3672、2013年3月14日に東京証券取引所マザーズへ上場し、2014年3月28日に市場第一部、2022年4月4日に東証スタンダード市場へ移行したことが記載されている — AltPlus Inc. 公式サイト「会社概要」「株式について」, altplus.co.jp/company / altplus.co.jp/ir/ir-stockinformation ↩
  • [4] 2026年5月22日に『忘却前夜』と『沙耶の唄』のコラボPVが公開されたこと、『沙耶の唄』が「『魔法少女まどか☆マギカ』や『PSYCHO-PASS サイコパス』などの話題作を世に送り届けた鬼才・虚淵玄(ニトロプラス)がシナリオを手掛けた」2003年のサスペンスホラーアドベンチャーであること、コラボ主題歌「忘却の彼方」の歌唱がいとうかなこ、作詞が小岩井ことり、作曲がF.R.K.@B.I.A.V. Studioであることが記載されている — 株式会社オルトプラス プレスリリース「『忘却前夜』×『沙耶の唄』コラボPV公開!」, prtimes.jp ↩

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