概要
『Lovecraft Country』は、マット・ラフによる2016年発表の長編小説で、Harper Voyagerより刊行された。連作短編集に近い構成を取り、シカゴに暮らす黒人中流家庭ターナー家が、白人の魔術師一族と対峙していく様を描く。
クトゥルフ神話との関係
ジム・クロウ法下のアメリカにおける人種差別と、H・P・ラヴクラフトが築いたクトゥルフ神話的な宇宙的恐怖を意図的に重ね合わせた構成が本作の核となっている。登場人物たちは、神話由来の怪異と、同じくらい現実的な人間の偏見という二重の恐怖に立ち向かう。
独自の要素・原典との違い
ラヴクラフト自身が生涯にわたり黒人に対する差別的な言動を隠さなかった人物であったことを踏まえ、その神話体系を継承しながらも作者本人への批評を織り込んでいる点が特徴。2020年にはHBOにより実写ドラマ化された(ドラマ版は別記事で扱う)。