概要
没落した貴族が、先祖が魔術師を殺害して以来一族に伝わる呪いの真相に、32歳の誕生日を前に直面する一編。ラヴクラフトが17〜18歳の頃に書いた最初期の完成作の一つ。
作品情報
- 原題: The Alchemist
- 執筆・発表年: 1908年執筆/1916年発表(「United Amateur」誌11月号)
- 主題タグ: 一族に伝わる32歳の呪い、地下通路に隠された正体、ゴシック風の復讐譚
あらすじ
フランスの没落した貴族アントワーヌ・ド・C伯爵は、先祖が数世紀前に暗黒の魔術師ミシェル・モーヴェを殺害して以来、一族の男子が32歳で必ず死ぬという呪いに苦しんできた。父の死に際し復讐を誓った息子シャルル・ル・ソルシエによる呪いである。廃墟同然の古城にひとり暮らすアントワーヌもまもなく32歳を迎えようとする中、地下に隠された通路を発見し、そこで自分を待ち受けていた謎の男に襲われる。死闘の末に男を倒したアントワーヌは、その正体が不老の秘薬で生き永らえていた張本人シャルルであったことを知る。
読みどころと注目テーマ
一族に代々伝わる呪いの構図、地下通路に隠された古城の秘密、不老の秘薬という真相
執筆背景と影響
ラヴクラフトが17〜18歳の頃に書いた最初期の完成作の一つ。クトゥルフ神話体系形成以前のゴシック風の呪いと復讐の物語で、後年の宇宙的恐怖とは異なる古典的ホラーの系譜に属する。


