概要
『シャドウ・オブ・ザ・コメット』は、フランスのInfogramesが1993年に発売したアドベンチャーゲームです。1994年のCD-ROM版はChaosium社の公式ライセンス表記を冠し、『Call of Cthulhu: Shadow of the Comet』として再パッケージされました。米White Wolf誌が5点満点の評価で「ラヴクラフトのホラー作品の精髄を捉えている」と絶賛するなど高く評価され、現在はCD-ROM版とフロッピー版を収録した復刻版がSteamで販売されています(日本語非対応)。
クトゥルフ神話との関係
本作は『ダニッチの怪』と『インスマウスの影』の要素を数多く取り入れています。舞台となるニューイングランドの孤立した町イルスマウスはインスマウスをもじった地名で、1910年、ハレー彗星の通過を撮影しに訪れた英国人写真家ジョン・パーカーは、前回の彗星接近の1834年に同地で発狂した英国貴族ボレスキン卿の残した謎と、町に潜む邪教の儀式へと巻き込まれていきます。
独自の要素・原典との違い
特定の一作の忠実な物語化ではなく、彗星の76年周期を軸に複数の原典を編み直した構成が本作の独自性です。回顧評ではラヴクラフト作品を対話型メディアで見事に実現したと評される一方、操作性に起因する死亡・追跡場面の理不尽さも指摘されています。姉妹編『プリズナー・オブ・アイス』(1995年、『狂気の山脈にて』が題材)は日本でも1997年に『プリズナー・オブ・アイス~邪神降臨~』としてPS・セガサターン版が発売されました。同じインスマウス系の後続作には『Dark Corners of the Earth』があります。



