ゲーム — Cultist Simulator

Cultist Simulator

2018年のカードゲーム。邪教団指導者となり、秘密の儀式でエルドリッチな力を求める。

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概要

『Cultist Simulator』は、カードを組み合わせて進めるローグライクの物語ゲームである。Steam公式ストアページによれば、開発・発売元はともに Weather Factory、配信開始は 2018年5月31日[1]。

公式の紹介文は、作者を名指ししている[1]。

『Cultist Simulator』は、『Fallen London』や『Sunless Sea』の生みの親であるAlexis Kennedy氏による終末と憧れをテーマにしたゲーム。1920年代調の隠された神々と秘密の歴史を舞台に、不浄な謎を追う探索者としてプレイできる。

『Sunless Sea』の作者が独立して作った作品、という位置づけがここで示されている。

基本情報

Steam公式ストアページの記載による[1]。

項目 内容
開発・発売元 Weather Factory
配信開始 2018年5月31日
ジャンル インディー / RPG / シミュレーション
対応プラットフォーム Windows / macOS / Linux
対応言語 英語、中国語(簡体字)、ロシア語、ドイツ語、日本語、フランス語、スペイン語
Steam実績 83
価格(Steam日本) 2,050円
公式サイト cultistsimulator.com
Metacritic 71

日本語に対応している[1]。

何をするゲームか

公式が挙げる行動は、次のようなものである[1]。

目に見えない術の学者になり、正気を捻じ曲げる儀式を夢で探そう。道具を作って、精霊を召喚して、罪のない人々に教え込み、新しい時代の先駆者としての地位を手に入れよう。

より具体的には、公式は内容をこう列挙する[1]。

  • カードを組み合わせ、野心、食欲、憎悪に満ちたラブクラフト風世界の中で、自分だけの物語を語る
  • 友人を堕落させ、敵を食い尽くす。歴史は決して1つだけではない
  • 赤い聖杯、または魔女と双子の片割れ、日々の鍛造に身を捧げるカルト教団を設立する
  • 信者を集め、弟子へと昇格させて泥棒や研究者、手下として利用する。弟子を使って食欲を満たしたり、弟子で食欲を満たしたりすることも可能
  • 難解で未知の謎を解き明かし、魔術書を翻訳して伝承を集める
  • 星屑の神殿を探し出して略奪し、時の魂たちの領域に侵入して彼らに仕える。狡猾な者は マンサス を垣間見るかもしれない
  • ライバル、捜査官、そして疑いを深めていく者たちに対処する

公式が示す想定プレイ時間は 20〜40時間 である[1]。

クトゥルフ神話との関係

固有名を借りず、構造を借りる

本作にクトゥルフもニャルラトテップも出てこない。出てくるのは「マンサス」「時の魂」「赤い聖杯」といった、このゲーム独自の語彙である[1]。

公式が使う表現は「ラブクラフト風世界(Lovecraftian world)」であって、クトゥルフ神話そのものではない[1]。当サイトの神話の三層でいえば、本作は神話の設定を継承する作品ではなく、宇宙的恐怖の作法を別の固有名で組み直した作品にあたる。

プレイヤーをカルト側に置く

神話ゲームの多くは、プレイヤーを 調査する側 に置く。『Call of Cthulhu』(2018)の主人公は私立探偵であり[2]、『Conarium』の主人公は科学者である[2]。

本作は違う。プレイヤーは カルトを設立する側 である[1]。信者を集め、弟子に昇格させ、必要なら使い潰す。公式の「弟子を使って食欲を満たしたり、弟子で食欲を満たしたりすることも可能」という一文は、その関係を端的に示している[1]。

原典で恐怖の源だった立場を、操作対象にした。これが本作の神話に対する態度である。

説明されないことが恐怖になる

本作は、遊び方をほとんど説明しない。公式紹介文にも「一瞬一瞬の選択が、物語を進めるだけでなく、物語を形作っていく」とあるだけで、勝ち方の説明はない[1]。

カードの意味も、組み合わせの結果も、試して覚えるしかない。何が起きるか分からないまま手を動かすという体験は、原典の登場人物が置かれる状況とよく似ている。

追加コンテンツ

Steamのストアページには、複数のDLCが登録されている[1]。

DLC 配信開始
Cultist Simulator: The Dancer 2018年10月16日
Cultist Simulator: The Priest 2019年5月30日
Cultist Simulator: The Ghoul 2019年5月30日
Cultist Simulator: The Exile 2020年5月27日

本体の配信が2018年5月31日、最後のDLCが2020年5月27日[1][4]。ちょうど2年をかけて4つの立場が足されたことになる。

「踊り手」「司祭」「食屍鬼」「追放者」——いずれも役柄の名前である[4]。追加コンテンツが新しい武器や地域ではなく 立場 を足していく形になっているのは、このゲームが何を遊ばせようとしているかの表れといえる。

とくに「The Ghoul(食屍鬼)」は、ラヴクラフト作品にも登場する存在の名を冠している[4]。当サイトの食屍鬼の記事も参照してほしい。

動作環境の最低要件は、Windows 7以降、2GHz以上、メモリ1GB、1280×768以上の解像度と2012年以降のグラフィックハードウェア、DirectX 9[1]。極端に軽い。カードを並べるゲームであることが、この要件に表れている。

その後——『BOOK OF HOURS』

Weather Factoryは、本作と同じ世界を舞台にした次作を出している。Steam公式ストアページによれば、『BOOK OF HOURS』 は開発・発売元ともWeather Factory、配信開始は 2023年8月17日、日本語対応ありである[5]。

公式の紹介文はこう書く[5]。

崩壊した大図書館は、冬の海辺に佇んでいます。世界に名だたる魔導書や秘文のコレクションを再建し、見えざる術を極めましょう。BOOK OF HOURSは、隠された神々と秘密の歴史が存在する1930年代の世界を舞台にした、ナラティブとクラフトに重きをおいたRPGです。

「隠された神々と秘密の歴史」という言い回しは、『Cultist Simulator』の紹介文とほぼ同じである[1][5]。舞台の年代が1920年代から1930年代へ移り、立場が カルトの主宰者から司書へ 変わった[1][5]。

Cultist Simulator BOOK OF HOURS
配信 2018年5月31日 2023年8月17日
舞台 1920年代調 1930年代
立場 カルトを設立する 崩壊した大図書館の司書になる
Steam評価 やや好評(14,193件・80%) 非常に好評(4,473件・89%)

評価は上がっている。肯定率80%から89%へ、Steamの評価文言も「やや好評」から「非常に好評」へ動いた[3][5]。魔導書を集めて図書館を再建するという、より手触りの分かりやすい目的が置かれたことが、その差に表れているように見える。

評価

数字は Steam公式のレビュー集計と、ストアページに載るMetacriticスコア による[1][3]。ここに書く以外の点数は当サイトでは扱わない。

指標 数値
Steamのレビュー評価 やや好評(Mostly Positive)
レビュー総数 14,193件
肯定的 11,344件
否定的 2,849件
Metacriticスコア 71[1]

肯定率は約80%である。レビュー総数14,193件は、当サイトが調べた神話系タイトルの中で上位に入る[2]。

作品 Steam評価 レビュー総数 肯定率 Metacritic
Call of Cthulhu (2018) やや好評 13,917 79% 表示なし
Cultist Simulator やや好評 14,193 80% 71
恐怖の世界 非常に好評 9,850 90% 77
Sunless Sea 非常に好評 9,565 83% 81
Stygian 賛否両論 2,524 66% 81

同じ作者が関わった『Sunless Sea』とは、評価の形が違う。Metacriticは71対81、Steamの肯定率は80%対83%で、どちらも『Sunless Sea』が上回る[2]。一方、本作のほうが多くの人に届いている(14,193件対9,565件)[2][3]。

説明を省いた設計が、遊ぶ人を選ぶ結果になっている——数字はそう読める。

どんな人に向くか

  • 日本語で遊べる神話系ゲームを探している人[1]
  • 手探りで仕組みを解き明かすことそのものを楽しめる人
  • カルト側の視点に立ちたい人。調査側の話は『Call of Cthulhu』(2018)にある
  • 逆に、説明書どおりに進めたい人には向かない。勝ち方は示されない
  • 動作環境が軽いので、古い機材でも動く[1]

同じ作者の系譜をたどるなら『Sunless Sea』と『Sunless Skies』がある。神話ゲーム全体の見取り図はクトゥルフ神話ゲーム総覧にまとめてある。

関連記事

出典

  • [1] Steam公式ストアページ『Cultist Simulator』(appid 718670、該当ページ)。Steam公式のappdetails API(store.steampowered.com/api/appdetails?appids=718670&l=japanese&cc=jp)で取得した内容を確認した。開発・発売元 Weather Factory、配信開始2018年5月31日、ジャンル「インディー/RPG/シミュレーション」、対応プラットフォーム Windows・macOS・Linux、対応言語に日本語を含む、Steam実績83、Steam日本価格2,050円、公式サイト cultistsimulator.com、DLC(appid 871650・871651・871900・1259930)。紹介文の「『Fallen London』や『Sunless Sea』の生みの親であるAlexis Kennedy氏による終末と憧れをテーマにしたゲーム」「目に見えない術の学者になり、正気を捻じ曲げる儀式を夢で探そう」「プレイ時間20〜40時間」「カードを組み合わせ、野心、食欲、憎悪に満ちたラブクラフト風世界の中で、あなただけの物語を語る」「弟子を使って食欲を満たしたり、弟子で食欲を満たしたりすることも可能」「星屑の神殿を探し出して略奪し、時の魂たちの領域に侵入し、彼らに仕える。狡猾な人であれば、マンサスを垣間見ることができるかもしれない」、および最低動作環境。Metacriticスコア71(2026年9月16日確認)。 ↩
  • [2] Steam公式ストアページおよびレビュー集計。『Call of Cthulhu』(appid 399810、Mostly Positive、13,917件・肯定11,029件、Metacritic表示なし)、『恐怖の世界/WORLD OF HORROR』(appid 913740、Metacritic 77、Very Positive、9,850件・肯定8,822件)、『Sunless Sea』(appid 304650、Metacritic 81、Very Positive、9,565件・肯定7,941件)、『Stygian: Reign of the Old Ones』(appid 779290、Metacritic 81、Mixed、2,524件・肯定1,675件)、『Conarium』(appid 313780、Metacritic 71、Mostly Positive、2,275件・肯定1,750件)。肯定率は当サイトが肯定件数÷総数で算出した(2026年9月16日確認)。 ↩
  • [3] Steam公式のレビュー集計API(store.steampowered.com/appreviews/718670?json=1&language=all&purchase_type=all)。レビュー評価「Mostly Positive」、総数14,193件(肯定11,344件/否定2,849件)(2026年9月16日確認)。 ↩
  • [4] Steam公式ストアページ。『Cultist Simulator: The Dancer』(appid 871650、配信開始2018年10月16日)、『同 The Priest』(appid 871651、2019年5月30日)、『同 The Ghoul』(appid 871900、2019年5月30日)、『同 The Exile』(appid 1259930、2020年5月27日)。いずれもSteam公式のappdetails APIで取得して確認した(2026年9月16日確認)。 ↩
  • [5] Steam公式ストアページおよびレビュー集計『BOOK OF HOURS』(appid 1028310、該当ページ)。開発・発売元とも Weather Factory、配信開始2023年8月17日、日本語対応あり。紹介文「崩壊した大図書館は、冬の海辺に佇んでいます。世界に名だたる魔導書や秘文のコレクションを再建し、見えざる術を極めましょう。BOOK OF HOURSは、隠された神々と秘密の歴史が存在する1930年代の世界を舞台にした、ナラティブとクラフトに重きをおいたRPGです」。レビュー評価「Very Positive」、総数4,473件(肯定3,969件)。肯定率は当サイトが算出した(2026年9月16日確認)。 ↩
公式トレーラー
出典: Steam公式トレーラー「PENETRATE THE HOUSE」 ストアページ ↗

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