概要
『Chronicle of Innsmouth: Mountains of Madness』は、開発元PsychoDev、発売元AtomicHordeによるポイント&クリック形式のグラフィックアドベンチャーで、2021年3月23日にPC向けに発売されました。日本語のインターフェース・字幕・音声はいずれも非対応です。私立探偵ローン・カーター、『ネクロノミコン』の著者アブドゥル・アルハザード、そしてH・P・ラヴクラフト自身という3人のキャラクターを操作し、インスマス近郊の浜辺で意識を取り戻したカーターが、アーカムや南極を舞台に連続する儀式殺人の謎を追います。2026年7月時点でSteamレビューは104件中70%が好評の「やや好評」です。
クトゥルフ神話との関係
タイトルが示す通り、本作はラヴクラフトの『インスマウスを覆う影』および『狂気の山脈にて』という2作を土台にした物語構造を持ちます。アブドゥル・アルハザードやラヴクラフト本人をプレイアブルキャラクターとして登場させる構成は、原典の作者自身とその虚構内創作物(『ネクロノミコン』)を物語の内側に取り込む、原典ファン向けのメタ的な演出といえます。
独自の要素・原典との違い
原典の『インスマウスを覆う影』では主人公が単独でインスマスの秘密を暴いていくのに対し、本作は3人のキャラクターを切り替えながら謎解きを進める点、また『狂気の山脈にて』の南極探検隊の要素をアーカムでの儀式殺人事件という別の筋書きに接続させている点が独自の翻案です。全体としてポイント&クリックアドベンチャーらしい謎解き・アイテム収集主体の進行で、原典のコズミックホラー的な絶望感よりも探偵ミステリーとしての謎解き体験に比重を置いています。2017年の前作『Chronicle of Innsmouth』から続くドット絵シリーズの2作目でもあります。



