編集部注(拡張神話): 本記事が扱うザーは、H・P・ラヴクラフト存命期のパブリックドメイン原典には登場しません。オーガスト・ダーレス&マーク・ショーラーの合作「星の落とし子の棲み家」(1932年、Weird Tales)で追加された、後年の拡張神話に属する存在です。同作は現時点でパブリックドメインではないため、本記事は原文からの引用を行わず、公知の設定情報の要約のみで構成しています。
概要
盟友ロイガーと共に「双子の醜悪(Twin Obscenities)」と呼ばれる旧支配者。ビルマ(現ミャンマー)を舞台にした「星の落とし子の棲み家」に登場し、地底都市アラオザールに封じられているとされる。
基本プロフィール
- 分類: 旧支配者
- 欧文表記: ZHAR
- 初出: オーガスト・ダーレス&マーク・ショーラー「星の落とし子の棲み家」(1932年、Weird Tales)
- 象徴するテーマ: 風、地底、忘れられた古代文明
- 位置: スン高原の地底都市アラオザール(アルクトゥルス星から飛来したとされる)
性質と権能
無数の触手が絡み合う巨大な塊として描かれるとされ、テルル=チョ族と呼ばれる信徒に「星の旅人の同胞団」を通じて崇拝される。適切な呪文でトゥルクという姿を通じて幻影を投影する力を持つとされる。ダーレスの体系化においては盟友ロイガーと共に風のエレメンタルに分類され、ハスターに仕える存在とされる。ロイガーとハスター・シュブ=ニグラスの子であるとする説もあるが、これは後世の資料に見られる一説であり、原作でどこまで明言されているかは確認できていない。
基本設定
なお、「星の落とし子の棲み家」で扱われるスン高原・テルル=チョ族といった舞台設定は、ラヴクラフト自身の詩「ポラリス」(1920年)に着想の一部を借りており、ダーレスとラヴクラフトの往復書簡でも題名や設定について相談がなされていたことが記録されている。ただし作品自体の執筆・発表はラヴクラフトの生前(1932年)ではあるものの、ザーという神格そのものの創造者はダーレス&ショーラーであり、ラヴクラフト自身の作品にザーは登場しない。
後世の展開
その後のクトゥルフ神話関連作品やテーブルトークRPGの設定でも、ロイガーとの対で紹介されることが多い。本記事執筆時点でこれらの後年の扱いを網羅的に裏付ける一次資料は未確認であり、確度の高い一般的傾向として記載するにとどめる。




