編集部注(拡張神話): 「祭事」原文を実際に確認したところ、「タルザーシャ」という名称は本文中に一度も登場しません。原典が描くのは名もなき「不健全な緑がかった焔」であり、この名前を与えて体系化したのはTRPG『クトゥルフの呼び声』の設定資料集『Malleus Monstrorum』です。したがって本記事の分類は「拡張神話」とし、名称・体系化に関する部分は原文からの引用を行わず、公知の設定情報の要約のみで構成しています。焔そのものの描写部分のみ、実際にラヴクラフトの原文(パブリックドメイン)から引用しています。
概要
H・P・ラヴクラフトの短編「祭事」に登場する、地底の巨大な川のほとりで燃え続ける名もなき緑の焔。TRPG『クトゥルフの呼び声』の設定資料集において「タルザーシャ」の名を与えられ、外なる神の一柱として体系化された。
原典における描写
「祭事」の語り手は、地底へ導かれた末に「病んだような緑がかった焔の柱に照らされた、菌類に覆われた広大な岸辺」を目にする。この焔は「健全な炎が本来落とすはずの影を落とさず」、周囲の硝石を帯びた岩肌を「不快で毒々しい緑青色」に染め上げるとされ、暖かさではなく「死と腐敗の冷たさ」だけをもたらすと描写される。この焔そのものに固有の名前は与えられていない。
拡張神話における体系化
TRPG『クトゥルフの呼び声』の設定資料集『Malleus Monstrorov』は、この名もなき焔に「タルザーシャ」(異名:緑の焔)という名を与え、アザトースの宮廷で舞う下級の外なる神々の一柱として位置づけた。この体系では、タルザーシャは下級の外なる神々よりも強い力を持ち、アザトースの眠りに影響を与える存在とされ、原典で「祭事」の場に登場したもう一つの音楽的な存在(後述のトゥルネンブラ)と関連づけて語られることもある。
執筆背景と影響
「祭事」自体はキングスポートを舞台に、主人公が先祖の血に導かれて禁忌の地下祭儀へ足を踏み入れる一篇として知られる。この場面の焔は物語のクライマックスを彩る強烈な視覚的恐怖として機能しており、後年のゲーム設定がこれに固有名を与えたのも、この印象的な描写の存在感の大きさゆえと考えられる。





