概要
クトゥグアは、H・P・ラヴクラフトの原典には登場しない神格である。ラヴクラフトの死後、1944年にオーガスト・ダーレスが「闇に棲むもの」で創造した[1]。物質を四大元素(地・水・火・風)に分類し、それぞれに対応する旧支配者を配置するというダーレスの体系化の中で、「火」を担当する存在として位置づけられている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | 旧支配者(ダーレスの四大元素体系による) |
| 欧文表記 | CTUGHA |
| 創造者 | オーガスト・ダーレス |
| 初出 | 「闇に棲むもの」(1944年)[1] |
| 位置 | フォーマルハウト(南の魚座の主星)、またはその付近とされる暗黒星 |
| 対応する元素 | 火 |
初出作品
クトゥグアの初出は、オーガスト・ダーレスの短編「闇に棲むもの」(1944年)である[1]。これに先行する言及や下敷きになった作品は無く、ダーレスによる単独の創造とみてよい。
原典での描写
原典に直接の記述は無い。クトゥグアは1937年に没したH・P・ラヴクラフト自身の著作には一度も登場せず、その死後にダーレスが書き足した神格である。ラヴクラフトが確立した神話体系の中に、この名前を持つ存在は存在しない。
ダーレス以降の変化
クトゥグアの設定はすべてダーレス以降に作られたものである。
- 四大元素体系への配置。ダーレスは物質を地・水・火・風に分類し、それぞれに対応する旧支配者を配する体系を作った。クトゥグアはこのうち「火」を担当する存在とされる
- 「闇に棲むもの」での役割。作中では、ニャルラトホテプは「ンガイの森」を地上の拠点とし、クトゥグアだけを恐れる存在として語られる[2]。登場人物たちはフォーマルハウトが梢の上に昇った夜、呪文を三度唱えてクトゥグアを召喚し、その結果この森はクトゥグアの手先によって焼き払われ、ニャルラトホテプの地上の隠れ家は永遠に使い物にならなくなったと語られる[3]
- 姿・形態。無数の光の球体に囲まれた巨大な火の玉、あるいはプラズマの塊として描かれることが多いとされるが、目撃者によって見え方が異なるという説明もあり、統一的な外見設定があるとは確認できない
- 後世の作品での扱い。ダーレスの原典では対立関係の中で利用される存在として登場するが、後続の作品では独自の意志を持つ存在として扱われることが多いとされる。ただし具体的にどの作品がこの扱いをしているかは、旧稿でも特定されておらず、本稿でも未確認のまま残す
旧稿には、クトゥグアの炎について「彼の火は物質の記憶を焼き尽くす」という描写もあった。この点は出典となる一次資料が明記されておらず、本稿でも実在確認ができないため、上の要約には含めていない。なお、フォーマルハウトが昇った夜に呪文を唱えて招来するという描写自体は、上記のとおり原文で確認できた[3]。
TRPGでの扱い
旧稿には「テーブルトークRPGの設定では、彼はしばしば最も危険な旧支配者の一柱として扱われ、その出現は即座に世界の終末を意味する」との記述があった。しかし具体的な資料名・版・数値設定(耐久力や脅威度など)は挙げられておらず、本稿でも裏付けが取れていない。確認できた時点で追記が必要な項目として残す。
登場作品一覧
| 作品 | 年 | 作者 | この作品が足したもの |
|---|---|---|---|
| 闇に棲むもの | 1944 | オーガスト・ダーレス | 神格そのものの創造。四大元素体系における「火」の担当、ニャルラトホテプとの対決[1] |
旧稿は「その後の作品」にも言及していたが、具体的な作品名は挙げられていなかった。現時点で列挙できるのはダーレスの初出作のみである。
関連神格・地域・書物
神格・種族
- ニャルラトホテプ — 「闇に棲むもの」において、クトゥグアだけを恐れる存在として語られ、地上の拠点をクトゥグアの手先に焼き払われる[2][3]
- 四大元素体系における他の旧支配者 — 地・水・風を担当する存在が対応するとされるが、旧稿では具体的な神格名が挙げられておらず、本稿でも特定できない
地域
- フォーマルハウト(南の魚座の主星)、またはその付近の暗黒星 — 封印場所とされる
参考文献
- [1] August Derleth, “The Dweller in Darkness”, Weird Tales vol. 38, no. 2, 1944年11月,archive.org。作品名・掲載誌・発行年月は同誌本文により確認済み。姿の細部(発光する球体・プラズマ状という形容)やTRPG資料の数値設定は当サイトでは確認していない
- [2] “It is His wood — the Wood of N’gai, the terrestrial abode of the Blind, FacelessOne, the Howler in the Night, the Dweller in Darkness, Nyarlathotep, who fears onlyCthugha.”(訳: 「それは彼の森――ンガイの森、盲いて顔なき者、夜に吼えるもの、闇に棲むもの、ニャルラトホテプの地上の棲み処である。彼が恐れるのはクトゥグアだけだ」) —August Derleth, “The Dweller in Darkness”, Weird Tales vol. 38, no. 2, 1944年11月,archive.org
- [3] “When Fomalhaut has topped the trees, call forth to Cthugha in these words, thricerepeated”(訳: 「フォーマルハウトが梢の上に昇ったなら、この言葉を三度唱えてクトゥグアを呼び出せ」)、”his earth-haven now forever rendered useless for him with its destructionby the minions of Cthugha”(訳: 「彼の地上の隠れ家は、クトゥグアの手先による破壊によって永遠に使い物にならなくなった」) — August Derleth, “The Dweller in Darkness”, Weird Talesvol. 38, no. 2, 1944年11月, archive.org
FAQ
Q. クトゥグアはラヴクラフトが生み出した神格ですか。A. 違います。H・P・ラヴクラフトは1937年に没しており、クトゥグアはその後の1944年にオーガスト・ダーレスが「闇に棲むもの」で創造した神格です[1]。ラヴクラフト自身の著作にこの名前は登場しません。
Q. クトゥグアはどこに封印されていますか。A. フォーマルハウト、またはその付近の暗黒星に封印されているとされます。ただし、この場所の記述の一次典拠は本稿では未照合です。
Q. クトゥグアはニャルラトホテプと敵対していますか。A. 「闇に棲むもの」の作中では、ニャルラトホテプはクトゥグアだけを恐れる存在として語られます[2]。登場人物たちはフォーマルハウトが昇った夜に呪文を唱えてクトゥグアを召喚し、その結果ニャルラトホテプの地上の隠れ家は焼き払われ、使い物にならなくなったと描かれています[3]。
Q. TRPGでのクトゥグアの脅威度はどれくらいですか。A. 旧稿は「最も危険な旧支配者の一柱」としていますが、具体的な資料名や数値の記述が無く、裏付けが取れていません。確認できた時点で追記が必要な項目です。
⚠ 隣の書架(成人向け・R-18)
クトゥグアの名が公式資料に明記されている成人向け作品は、姉妹サイト「深淵禁書」で紹介しています(18歳未満の方は閲覧できません。リンク先の入口で年齢確認があります)。



