短編小説 — THE TRANSITION OF JUAN ROMERO

ファン・ロメロの奇怪な失踪

1894年10月18日と19日、アメリカ西部カクタス山地のノートン鉱山。インド勤務の過去を捨てて坑夫になった語り手は、古いヒンドゥーの指輪に心を奪われたメキシコ人坑夫ファン・ロメロと親しくなる。最深部の発破で、測鉛の届かない深淵が口を開ける。その夜、嵐の中でロメロが「地の律動」を聞き、二人は坑道を降りていく。指輪が光り、ロメロは知らない言葉で叫びながら先へ走り、「ウィツィロポチトリ」の名だけが聞き取れる。朝、ロメロは寝台で死んでいて、二人は一晩外に出ていないと皆が言う。1919年9月16日執筆、1944年『マージナリア』で初出。約2,700語。

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ファン・ロメロの奇怪な失踪

「一八九四年十月十八日と十九日にノートン鉱山で起こった出来事について、私は語りたくはない。科学への義務感だけが、我が人生の晩年において、なぜだか完全には説明できないがゆえに一層鋭い恐怖に満ちた光景と出来事とを、思い出させようとするのだ」

— H・P・ラヴクラフト「ファン・ロメロの奇怪な失踪」(執筆1919年/1944年発表)冒頭部
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概要

語り手は名を明かしません。「人が突然アメリカや植民地へ移るとき、過去は置いていくものだ」。分かるのはインドで軍務に就いていたこと、「同僚の士官より、白髭の現地の師たちのあいだにいるほうが落ち着いた」こと、東洋の知識にかなり踏み込んでいたこと、そして「災厄」に見舞われてアメリカ西部で「ごくありふれた、意味を持たない」偽名で生き直していることだけです。1894年の夏から秋、彼はカクタス山地のノートン鉱山で日雇いの坑夫として働いていました[1]。

そこへ来たのがファン・ロメロです。周辺から集まったメキシコ人坑夫の一人で、顔立ちだけが違っていました。語り手が身につけていた古いヒンドゥーの指輪にロメロは強く惹かれ、数週間で「忠実な召使いのように」なります。10月18日、最深部の大発破で底の測れない深淵が開き、坑夫たちは作業を拒みます。その夜2時、嵐の中でロメロが語り手を起こします。「あの音──地の律動──地面の下のあの脈動!」。二人は灯りも持たずに坑道を降り、指輪が青白く光り、ロメロは語り手を置いて走り出します[1]。

1919年9月16日執筆[2]。生前は活字にならず、没後の1944年、アーカムハウスの『マージナリア』に初めて載りました[3]。約2,700語。結末で語り手は、深淵の縁で見たものを「言う勇気がない」と書き、翌朝には二人とも小屋を出ていないと告げられます。

作品情報

  • 原題: The Transition of Juan Romero
  • 執筆: 1919年9月16日[2]
  • 初出: 『Marginalia』(アーカムハウス、1944年)276–284ページ[3]
  • 分量: 約2,700語(公式アーカイブ本文を機械集計)
  • 語り: 一人称。事件から長い年月を経た「人生の最後の数年」に、「科学への義務感」から書く
  • 時: 1894年10月18日と19日
  • 舞台: アメリカ西部、カクタス山地のノートン鉱山。山上の湖ジュエル・レイクの下に金の洞窟がある
  • 主題: 地の底から響く律動、指輪と記憶、正体を明かさない語り手

登場神格・用語

クトゥルー神話固有の神格は出てきません。以下は作中の固有名です。

  • 語り手: 元英国軍人らしい男。「オックスフォード仕込みのスペイン語」を話し、インドで「多くの奇妙なことを教わった」と言います。名も出自も伏せたまま
  • ファン・ロメロ: 坑夫。山小屋で疫病の唯一の生き残りとして見つかり、そばの岩の裂け目の近くに両親らしい二体の骸骨があった。メキシコ人の牛泥棒に育てられ、その姓をもらいました。英語は数語しか知りません
  • ヒンドゥーの指輪: 語り手が「閉じられた人生の章との最後のつながり」として大切にする古い指輪。「古びた象形文字」が刻まれ、坑道を降りるあいだ青白く光ります。事件の翌朝、指から消えていました
  • アーサー監督: 鉱山の監督。金を含む洞窟の連なりを水の作用の結果と考え、最深部のさらに下に岩盤しかないと信じて大量のダイナマイトを仕掛けさせました
  • ウィツィロポチトリ(Huitzilopotchli): ロメロが坑道を走りながら繰り返し叫んだ語。語り手にはそれだけが聞き覚えがあり、のちに「ある偉大な歴史家の著作」の中にその語を見つけて「その連想に身震いした」と書きます。本文はそれ以上を説明しません
  • ジョゼフ・グランヴィル: 地の底の音を聞いたとき、語り手の頭に浮かぶ一節の著者。「ポーが絶大な効果をもって引用した」文として、「デモクリトスの井戸より深い」という言葉が引かれます

あらすじ

名のない語り手

「1894年10月18日と19日にノートン鉱山で起きたことについて、私は語りたくない」。語り手はそう始め、人生の最後の年月に「科学への義務感」だけがそれを書かせるのだと言います。自分の名と出自は後世に伝える必要がない。インド勤務のあいだ、同僚の士官より現地の師たちのそばにいるほうが落ち着いたこと、東洋の知識に踏み込んでいたこと。そして「災厄」のあとにアメリカ西部で偽名を名乗って生きていること[1]。

ノートン鉱山は、年老いた山師が数年前に見つけた「山上の湖の下に横たわる金の洞窟」から始まり、いまは会社が大規模に掘り進めています。洞窟は次々に見つかり、金の産出は多く、「雑多な大軍」の坑夫が昼夜働いている。監督のアーサー氏は地質の珍しさをよく話題にし、金を含む空洞は水の作用でできたもので、最後の一つももうじき開くだろうと考えていました[1]。

ファン・ロメロ

ロメロは語り手の少しあとに来ました。近隣から集まった「身なりの粗末なメキシコ人の大群」の一人ですが、顔立ちだけが目を引きます。明らかに先住民の型なのに、色が淡く、造作が「洗練されて」いて、語り手の想像に浮かぶのは「征服者カスティーリャ人でもアメリカの開拓者でもなく、古く高貴なアステカ人」でした。無口なこの男は早朝に起き出し、東の丘から昇る太陽を見つめて、「自分でも理解していない儀式のように」両腕を差し伸べます。顔以外に高貴さはありません。読み書きはできず、不潔で、「もっとも低い環境」の出。山小屋で疫病の唯一の生存者として見つかり、そばの岩の裂け目の近くに、禿鷲に啄まれたばかりの二体の骸骨があった。小屋は崩れ、裂け目はのちの雪崩で塞がれ、その場所も忘れられました[1]。

語り手はここで、鉱山の周囲の人々やロメロについて、当時の西部の白人の目線そのままの、見下ろす言葉を使っています。「大群」「無知で不潔」、そしてメキシコ人への蔑称。本記事ではその語を写しません。

ロメロが語り手になついたきっかけは、語り手が作業のとき以外に嵌めていた「古風で奇妙なヒンドゥーの指輪」でした。その由来と入手の経緯を語り手は語りません。「永遠に閉じられた人生の章との最後のつながり」。ロメロはそれを、欲しがるのとは違う目で見ました。「古びた象形文字が、教育のない、しかし活発な彼の頭に、かすかな記憶を掻き立てるようだった。それに似たものを見たことがあるはずはないのに」。数週間で、ロメロは語り手の「忠実な召使い」のようになります。会話は限られていました。ロメロの英語は数語、語り手の「オックスフォード仕込みのスペイン語」はヌエバ・エスパーニャの下層民の方言とはまるで別物[1]。

発破と深淵

事件に前触れはありませんでした。地質上の判断で、鉱山を最深部からまっすぐ下へ延ばすことになり、監督が「岩盤しかない」と信じていたため、途方もない量のダイナマイトが仕掛けられます。語り手とロメロはこの作業に関わっていません。爆発は「見積もりより重かった」らしく、山全体を揺るがし、斜面の小屋の窓を割り、近い坑道の坑夫を薙ぎ倒し、上の湖ジュエル・レイクは「嵐のように」波立ちました。調べると、爆破地点の下に「新しい深淵が果てしなく口を開けて」いた。手近な綱では底が測れず、どんな灯りも照らせない。監督は大量の綱をつなぎ合わせて底が見つかるまで下ろさせ、やがて「青ざめた顔の」坑夫たちが失敗を報告します。彼らは丁寧に、しかしきっぱりと、深淵に近づくことも、塞がれるまで鉱山で働くことも拒みました。「彼らの確かめえた限りで、下の虚空は無限だった」。監督は叱らず、考え込み、翌日の計画を立てます。夜勤は出ませんでした[1]。

午前2時

午前2時、山でコヨーテが一匹、陰気に吠えます。鉱山のどこかで犬が応える──コヨーテに、あるいは別の何かに。峰のまわりに嵐が集まり、巻層雲の向こうで凸月が滲んでいます。上段の寝台からロメロの声が語り手を起こします。「マドレ・デ・ディオス!──あの音──あの音──聞こえますか?──セニョール、あの音が!」。語り手はコヨーテと犬と風の音を聞き返しますが、ロメロは答えず、畏れるように囁きます。「エル・リトモ、セニョール──エル・リトモ・デ・ラ・ティエラ──地面の下のあの脈動!」[1]

そして語り手にも聞こえます。「深く、深く、私の下に音があった──律動、まさにあの男の言ったとおりの」。ごくかすかなのに、犬もコヨーテも強まる嵐も、それには及びません。「描写しようとしても無駄だ──描写のしようがないものだったから」。大型客船の甲板で感じるはるか下の機関の脈動に似ているが、それほど機械的ではなく、「生命と意識の要素を欠いていない」。何より、地中の遠さが印象に残った、と語り手は書きます。頭に浮かんだのは、ポーが引用したジョゼフ・グランヴィルの一節。「その御業の広大さ、深遠さ、探りがたさは、デモクリトスの井戸より深い」[1]。

ロメロが寝台から跳び下り、稲妻のたびに「奇妙に光る」語り手の指輪を見つめ、それから坑道の方角をじっと見ます。二人は立ち上がり、律動が「ますます生きたものの性質を帯びる」のを聞きながら、「明らかな意志なしに」扉へ向かいました。深みからの詠唱──もうそう聞こえていました──は大きく、はっきりしていき、二人は嵐の中へ、そして坑口の黒い口へと「抗いがたく」引かれていきます。夜勤の男たちは解放されてドライ・ガルチの集落で噂話をしているはずで、生きた者には会いません。見張り小屋からは「守護の目のような」黄色い四角い光が漏れていました[1]。

坑道を降りる

竪坑を降りるにつれ、下の音は「明確に複合的」になります。太鼓の音と多くの声の詠唱──「東洋の儀式にひどく似ていた。ご存じのように私はインドに長くいた」。二人は横坑と梯子を、「哀れなほど無力な恐れと気の進まなさ」を抱えたまま、それでも「ためらいなく」降りていきます。灯りも蝋燭もないのに道が見えるのはなぜかと考えたとき、語り手は自分が狂ったのかと思いました。指の古い指輪が「不気味な輝きを放ち、湿った重い空気に青白い光沢を広げていた」のです[1]。

前触れなく、ロメロが梯子を降りたところで走り出し、語り手を置いていきます。太鼓と詠唱の中の「新しい荒々しい調子」が、語り手にはかすかにしか感じ取れないのに、ロメロには激しく作用したらしい。彼は「野生の叫び」を上げて洞窟の闇を導きなしに進みます。語り手は前方から繰り返し聞こえるロメロの叫びの中に、恐ろしいながらも気づきます。その言葉は「私の知るどんな種類のものでもなかった」。下手なスペイン語とさらに下手な英語の混ざりものに代わって、「粗いが印象的な多音節語」。そのうち、繰り返される「ウィツィロポチトリ」だけが、わずかに聞き覚えのある響きでした。「のちに私はその語を、ある偉大な歴史家の著作の中にはっきりと見つけた──そしてその連想が浮かんだとき、身震いした」[1]。

深淵の縁

「あの恐ろしい夜の頂点は、複合的だが、かなり短かった」。最後の洞窟に着いた瞬間、すぐ前の闇からロメロの最後の悲鳴が上がり、それに「二度と聞いて生きていられないような、無様な音の合唱」が加わります。「その瞬間、地球の隠されたあらゆる恐怖と怪物が、人類を圧倒しようとして声を持ったかのようだった」。同時に指輪の光が消え、数ヤード先の下方に新しい光が瞬きます。語り手は深淵に着いていました。深淵はいま赤く燃え、「明らかに、不運なロメロを呑み込んでいた」[1]。

語り手は縁から覗きます。「どんな綱でも測れなかった」その裂け目は、いまや「揺らめく炎と醜悪な騒音の伏魔殿」でした。最初は「煮え立つ光のぼやけ」しか見えず、やがて「すべて無限に遠い」形が混沌から分かれ始め、「私は見た──あれはファン・ロメロだったのか?──だが、神よ! 私は自分が見たものを、あなたに告げる勇気がない!」。そこで「天からの何かの力」が、「二つの宇宙が空間で衝突するときに聞こえるような轟音」とともに、光景も音も消し去りました。「混沌が訪れ、私は忘却の平安を知った」[1]。

翌朝

「どう続ければよいか、ほとんど分からない」。語り手は「現実と見かけを区別しようとさえせず」書くと断ります。目覚めると自分の寝台にいて、窓に夜明けの赤い光。少し離れた台の上にロメロの死体があり、キャンプの医師を含む男たちが囲んでいました。彼らは、山を打って揺るがした「恐ろしい落雷」と何か関係があるらしい、眠ったままのメキシコ人の奇妙な死を論じています。直接の原因はなく、検死でも「ロメロが生きていてはいけない理由」は見つかりません。会話の断片から疑いなく分かったのは、ロメロも語り手も夜のあいだ小屋を出ていないこと、二人ともあの嵐のあいだ目を覚ましていないことでした[1]。

坑道へ降りた男たちによれば、嵐は広範な崩落を起こし、前日にあれほど恐れられた深淵を「完全に塞いで」いました。見張りに落雷の前に何を聞いたか尋ねると、コヨーテと犬と唸る山風──それだけ。「彼の言葉を疑いはしない」。作業再開後、監督は信頼できる男たちに深淵の現れた場所を調べさせ、深い試錐が行われます。結果は奇妙でした。開いていたときに見えた虚空の天井は決して厚くなかったのに、ドリルは「限りなく続くように見える固い岩」に当たった。金さえ出ず、監督は諦めましたが、「机で考え込むとき、彼の顔に困惑の表情がときおり忍び込む」[1]。

もう一つ奇妙なことがあります。嵐の翌朝、目覚めてまもなく、語り手はヒンドゥーの指輪が指から消えているのに気づきました。大切にしていたのに、「その消失に安堵を覚えた」。仲間の坑夫が盗んだのなら処分がよほど巧みだったはずで、広告を出し警察が探しても、指輪は二度と見つかりません。「人の手で盗まれたとは、どうも思えない。インドで多くの奇妙なことを教わったから」[1]。

語り手の見方は時とともに揺れます。昼日中には大部分をただの夢と思う。「しかしときどき、秋に、風と獣が陰気に吠える午前2時ごろ、想像もつかない深みから、律動的な脈動の忌まわしい気配が上ってくる……そして私は、ファン・ロメロの移行(トランジション)はまことに恐ろしいものだったと感じるのだ」。本文はここで終わります[1]。

読みどころと注目テーマ

「トランジション」という題

原題の transition は、当サイトの記事名では「奇怪な失踪」と訳されていますが、本文でこの語は二度使われます。冒頭の「──移行とでも言おうか──」と、最後の一文の「ロメロの移行はまことに恐ろしいものだった」。語り手は「死」とも「失踪」とも言わず、ロメロが何かから何かへ移ったという言い方を選び、その中身は「言う勇気がない」で伏せます。ロメロの死体は寝台にあり、検死は死因を見つけられない。何が移ったのか、本文は最後まで名指ししません。

二重の否定

語り手が見聞きしたことは、翌朝、外側から一つずつ打ち消されます。二人は小屋を出ていない。嵐のあいだ目を覚ましてもいない。見張りが聞いたのはコヨーテと犬と風だけ。深淵は崩落で塞がれ、掘っても出てくるのは岩。残るのは、ロメロの死と、消えた指輪と、監督の顔の困惑だけ。語り手自身も「現実と見かけを区別しようとさえしない」と宣言しています。墓(1917年)や名状しがたきものと同じ、二つの説明を並べたまま閉じる型ですが、本作では語り手が自分の側の説明さえ「夢かもしれない」と手放している点が違います。

指輪が語り手を連れていく

指輪は三つの役を担います。ロメロを語り手に結びつけ、坑道の闇で灯りになり、最後に消える。語り手はその由来を「語れない」と言い、インドでの過去と同じく伏せたままです。ロメロが指輪の文字に「見たことがあるはずのない」記憶を掻き立てられる場面と、ロメロ自身の出自──岩の裂け目のそばで見つかった孤児──とを並べると、指輪とロメロと地の底とのあいだに何かの線があることだけは分かります。線の正体は書かれません。

見下ろす語り手

本作の語り手は、メキシコ人坑夫たちを「大群」と呼び、ロメロを「無知で不潔」と書き、蔑称を使います。同時にロメロの顔に「古く高貴なアステカ人」を見て、彼を「召使い」として受け入れます。その視線は眠りの壁の彼方(同じ1919年)の研修医がジョー・スレイターに向けたものと同じ系統で、本作を読むときにはこれも作品の一部です。

執筆背景と影響

公式アーカイブの年譜は本作を1919年9月16日に置いています[2]。同じ年には眠りの壁の彼方、ランドルフ・カーターの陳述(12月)などが書かれています。生前は活字にならず、初出は没後の1944年、アーカムハウス刊『マージナリア』276ページから284ページでした[3]。

地の底に人の知らない空間と儀式があり、そこから律動が上ってくる、という配置は、2年後の無名都市(1921年1月)で砂漠の地下都市として、のちの墳丘(1929〜30年)ではオクラホマの塚の下の地下世界として書かれる。本作ではその空間は一度も描写されず、「言う勇気がない」の一言で閉じられたままです。語り手が深淵を覗く場面の「すべて無限に遠い形」という言い方だけが、そこにあったものの規模を伝えています。

出典

[1] H. P. Lovecraft, “The Transition of Juan Romero” (本文). The H. P. Lovecraft Archive.https://www.hplovecraft.com/writings/texts/fiction/tjr.aspx本記事の引用・要約はすべてこの本文に基づきます。訳文は当サイトによる試訳です。グランヴィルの一節も、この本文中で引用されている形で確認しました。

[2] “Lovecraft’s Fiction” (作品年譜). The H. P. Lovecraft Archive.https://www.hplovecraft.com/writings/fiction/執筆日(1919年9月16日)、および「眠りの壁の彼方」1919年・「ランドルフ・カーターの陳述」1919年12月・「無名都市」1921年1月・「墳丘」1929年12月〜30年初めの出典。

[3] “Data Page for ‘The Transition of Juan Romero'” (作品情報・出版履歴). The H. P. Lovecraft Archive.https://www.hplovecraft.com/writings/fiction/tjr.aspx初出『Marginalia』(アーカムハウス、1944年)276–284ページの出典。

関連作品ガイド ── どれから楽しむか

  • 無名都市 — 本作の2年後。地下に人でないものの都がある、という本作で伏せられた部分を、語り手が自分の足で降りて見てくる作品です。
  • 眠りの壁の彼方 — 同じ1919年。こちらも語り手が見下ろす相手の中に別の何かを見る話で、視線の置き方が本作と重なります。
  • 墳丘 — 塚の下の地下世界を長編の規模で描いた作品。本作の「地の底の律動」の先に何があるかを、いちばん詳しく書いた一本です。
  • ランドルフ・カーターの陳述 — 同じ年の12月。地下へ降りた者が戻らず、地上に残った者が語る、という本作と同じ骨格の短編です。
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