概要
『クトゥルフの呼び声フラックス』はLooney Labsの『フラックス』シリーズをクトゥルフ神話テーマで展開した作品です。ルール設定がゲーム進行中に変動するという独特なメカニクスを備えており、2~6人のプレイヤーが参加できます。基本的なフラックスシステムにクリーパーカード(不吉なカード)やアンゴール(失敗条件)が加わり、予測不可能で混沌としたゲーム展開が実現されています。2019年には日本語版がホビージャパンからリリースされました。
クトゥルフ神話との関係
フラックスの基本システムに、クトゥルフ神話固有のカードセットが組み込まれています。勝利条件や敗北条件が「ニャルラトホテプとクトゥルフの結合」といった不可思議な要求になったり、クリーパーとして「狂気」や「呪い」といった原典的な概念が登場したりします。また、カードのイラストやテキストはクトゥルフ宇宙の要素に満ちており、フラックスのカオスなゲームプレイそのものが、クトゥルフ神話における不可知的で秩序不可能な世界観の表現として機能しています。
独自の要素・原典との違い
本作最大の特徴は、クトゥルフ的な「秩序の不可能性」をゲームメカニクスそのものに体現したことです。通常のボードゲームではルールは固定されていますが、フラックスではルール自体が頻繁に変動し、プレイヤーの戦略立案を不可能にします。この根本的な不安定性こそが、ラヴクラフト世界における人間理性の無力さを、直感的にゲーム体験として示唆しています。また、クリーパーカードが登場することで、ゲーム終盤に突然敗北が確定するという、クトゥルフ的な「回避不可能な破滅」が再現されています。



