概要
『パンデミック:クトゥルフの呼び声』はZ-Man Gamesが企画し、チャック・D・ジャガーがデザインしたボードゲームです。人気協力ゲーム『パンデミック』のシステムをクトゥルフ神話の世界観に置き換えた作品で、2~4人のプレイヤーが調査者となり、世界各地の門を封印して旧支配者の復活を阻止します。全員で協力して勝利を目指すメカニクスながら、クトゥルフ的な絶望感を常に感じさせる傑作です。
クトゥルフ神話との関係
本作はクトゥルフ神話の世界観を直接ゲームメカニクスに組み込んでいます。赤・黄・黒・青という色分けされた病原体ではなく、無彩色の信者駒が世界各地に増殖し、ショゴス(クトゥルフ神話の怪物)が移動するシステムになっています。また、勝利条件は4つの門を封印することであり、これはクトゥルフ神話における次元間の門という核心的な概念を直接ゲーム化しています。アーカム、イースター島、パタゴニアといった地名も原典に由来しており、ラヴクラフト宇宙への没入感が高くなっています。
独自の要素・原典との違い
最大の違いは、パンデミックの基本フレームワークを保持しながら、クトゥルフ的なテーマを導入した点です。元のパンデミックは「現代医学による対抗」というテーマでしたが、本作では「魔術的な封印儀式」という古いファンタジー的な解決手段に転換されています。また、カルト勢力の増殖がゲーム内の根拠となるため、単なる感染症対策ではなく、人間の信仰転換を防ぐという倫理的な重層性が加わっています。さらに、複雑な相互作用と確率性により、パンデミック以上に難易度が高く、クトゥルフ的な「対抗可能性の不確実性」が表現されています。





