概要
形容不可能な「色彩」そのものを怪物(未知のエネルギー)として描き、ラヴクラフト自身が最も自己評価の高かった傑作短編。
作品情報
- 執筆・発表年: 1927年執筆/同年発表(「アメージング・ストーリーズ」誌)
- 主題タグ: 不可視の異質さ、環境汚染、言語化の限界
登場神格・用語
- 宇宙的恐怖
- アーカム
あらすじ
アーカム西部のダム建設予定地を訪れた語り手は、草木も生えない枯れ果てた「荒れ果てた地」の歴史を地元の老人から聞く。1882年、農夫ネイアム・ガードナーの敷地に隕石が落下。隕石は科学者たちの分析を拒み、徐々に縮小して消滅するが、その中から地球上の色彩のスペクトルに当てはまらない奇妙な「色」が滲み出していた。やがて農場では、異常に巨大化した果実が実るが味は苦く、家畜や野生動物が奇妙に変形し、夜間に微光を放ち始める。井戸水を飲んだガードナー一家の精神と肉体は徐々に崩壊し、妻や子供たちは狂気に陥って監禁され、最終的に全員が灰色の塵と化す。その夜、井戸の底から巨大な「色」の輝きが天空の彼方へと昇り去ったが、そのごく一部は今も井戸の底に残留しているとされる。
読みどころと注目テーマ
未知の汚染、不可知の存在、環境破壊の先取り
執筆背景と影響
SFとホラーの完全な融合を示す作品であり、怪物を爪や牙を持つ伝統的なクリーチャーではなく、「可視光線以外のエネルギー」として定義した。現代の放射能汚染や環境汚染を先取りしたような先見性が高く評価されている。


