編集部注(拡張神話): 本記事が扱うイブ=ツトルは、H・P・ラヴクラフト存命期のパブリックドメイン原典には登場しません。ブライアン・ラムレイによって創造された、後年の拡張神話に属する存在です。同作は現時点でパブリックドメインではないため、本記事は原文からの引用を行わず、公知の設定情報の要約のみで構成しています。
概要
「忍耐強きもの(The Patient One)」「暗黒のもの(The Dark One)」の異名で呼ばれる外なる神。ブライアン・ラムレイの短編「The Horror at Oakdeene」に登場し、以後ラムレイ作品を中心とした拡張神話に組み込まれていった存在である。
基本プロフィール
- 分類: 外なる神(後世の体系化による位置づけ)
- 欧文表記: Yibb-Tstll
- 異名: 忍耐強きもの、暗黒のもの、大いなる黒きもの
- 初出: ブライアン・ラムレイ「The Horror at Oakdeene」(1970年代発表)
姿・性質
蝙蝠を思わせる巨大な黒い翼と、うごめく触手状の肢を持つ、どろりとした暗色の巨躯として描写される。頭部には見開いた眼球が浮かび、動くことなくじっと留まっているとされる。設定作品(架空の魔道書『エイボンの書』『クタート・アクアディンゲン』)の中では、バグ=シャッシュと血縁関係にある「溺れさせるもの(the Drowners)」という一群に分類され、旧支配者たちにまとわりつく寄生的な存在として位置づけられている。
読みどころと注目テーマ
バグ=シャッシュとの縁戚設定に見られるように、ラムレイは自身の創造した神格同士を相互に関連づけ、独自の系譜を築いていった。この体系化はダーレスの「旧神対旧支配者」構図とはまた異なる、拡張神話ならではの世界観拡張の一例といえる。
執筆背景と影響
ラムレイはタイタス・クロウ・シリーズをはじめとする一連の作品で、ラヴクラフトの宇宙観を継承しつつ、より能動的に神格へ立ち向かう人間主人公像を描いたことで知られる。イブ=ツトルもそうした拡張神話群の一角を占める存在であり、後年のクトゥルフ神話TRPGやボードゲームなどにも取り入れられている。






