外なる神 — MLANDOTH AND MRIL THORION

ムランドスとムリル・ソリオン

ダーレス以降

ウォルター・C・デビル・ジュニアが創造した「ムランドス・サイクル」の二柱の至高神。互いを陰陽のように対とする、アザトースに相当する存在とされる。

公開更新作成AI支援で作成

誤りの指摘・訂正依頼と編集方針は運営者情報へ。

ムランドスとムリル・ソリオン
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

編集部注(層の区分と裏づけの範囲): ムランドスとムリル・ソリオンは、H・P・ラヴクラフト本人の作品には登場しない。ラヴクラフト公式サイトが公開する作品一覧にも、この名は見当たらない[3]。当サイトの三層区分はラヴクラフトの死(1937年)より前の発表か後かで分けており、作者ウォルター・C・デビル・ジュニアの作品は1972年以降なので、本記事は拡張神話(ダーレス以降)として扱う[1]。

この記事は、他の神格記事より裏づけが薄い。作者の書誌は確認できたが、この二柱が登場する作品を特定できる記録を、当サイトは見つけられていない。以下、確認できたところと、できていないところを分けて書く。

概要

ムランドスとムリル・ソリオンは、ウォルター・C・デビル・ジュニアが自作の神話体系の中で置いたとされる、至高神の一対である。互いに陰陽のような関係にあり、二柱の交わりから万物とあらゆる神格が生じたとされる——通常のクトゥルフ神話ではアザトースが担う役どころを、この体系では二柱が分け持っている、という説明がなされる[5]。

ただしこの説明の出所を、当サイトは示せない。後述のとおり、書誌データベースには「Mlandoth」「Mril」「Thorion」を題に含む作品も、その名を冠したシリーズ登録も存在しない[1]。

項目 内容
分類 外なる神(体系内の至高神とされる)[5]
欧文表記 MLANDOTH, MRIL THORION
創造者 ウォルター・C・デビル・ジュニア(Walter C. DeBill, Jr.)[1]
三層区分 拡張神話(ダーレス以降)。基準は1937年より後の発表であること
登場作品 特定できていない。書誌データベースに該当する題・シリーズ名の登録はない[1]
系譜 二柱の交わりから万物・あらゆる神格が生じたとされる[5]
体系内の書物 『Uralte Schrecken(古の恐怖)』に原初の原型として言及されるとされる[5]

初出作品

確認できたこと。作者ウォルター・C・デビル・ジュニアは、書誌データベースに45件ほどの作品が登録されている実在の作家である[1]。神話系の短編は1972年に集中し、「Predator」「Homecoming」「From the Sea」「Fragment from the Necronomicon」「The Lure of Leng」がこの年に並ぶ。以後も「Nygr-Khorath」(1973年)、「What Lurks Among the Dunes」(1973年)、「Perilous Legacy」(1974年)、「The Horror from Yith」(1974年)、イドラーが名を冠する「Where Yidhra Walks」(1976年)、「The Changeling」(2002年)と続く[1]。

作品をまとめた短編集も出ている。『The Black Sutra』(Mythos Books、2006年9月30日、ISBN 0-9789911-1-7)がそれで、ロバート・M・プライスによる序文が付く[2]。同書には「Ngyr-Khorath」(2006年)という題も収められている[1]。

確認できなかったこと。書誌データベースの著者記録を検索した範囲では、「Mlandoth」「Mril」「Thorion」のいずれの語も、作品名としてもシリーズ名としても現れない(3語とも0件)[1]。同記録に登録されているシリーズは「Observers of the Unknown」1件のみで、「ムランドス・サイクル」という名のシリーズ登録はない[1]。

登録されている唯一のシリーズ「Observers of the Unknown」も、デビルの単独連作ではない。アラン・ギュレット「The Shadow from Yith」(1973年)、デビル「The Horror from Yith」(1974年)、テッド・ポンズ「Beneath the Dunes」(1975年)、デビル「The Changeling」(2002年)の4編からなる、複数作家による共有連作である[6]。デビルが書誌上で連なっているのは、自前の体系ではなくこの共有の枠の方だということになる。

つまり「ムランドス・サイクル」は、少なくとも書誌の水準では確認できない呼び名である。作者自身が用いた総称なのか、後年の紹介者による整理なのかも、当サイトでは判断できない。二柱の設定を伝える資料はあるものの、その設定がどの作品のどこに書かれているのかを示せる資料に、当サイトはまだ行き着いていない[5]。

ラヴクラフト公式サイトの作品一覧に、二柱の名もデビルの作品も含まれない[3]。

原典での描写

原典に、ムランドスとムリル・ソリオンの記述は存在しない。ラヴクラフト本人の作品に両者が登場したことはなく、ラヴクラフトが書き残したものは何もない[3]。両者はラヴクラフトの死後、1970年代以降に積み重ねられた層に属する。

ダーレス以降の変化

創造したのはオーガスト・ダーレスではなく、ウォルター・C・デビル・ジュニアだとされる。以下はいずれも当サイトが出所を特定できていない[5]。

  • 陰陽のような対の関係。ムランドスとムリル・ソリオンは互いに対をなす至高神とされる
  • 万物の根源としての位置づけ。二柱の交わりから万物・あらゆる神格が生じたとされる。通常のクトゥルフ神話でこの役割を担うのはアザトースである
  • 結合と分離の反復。両者が結合と分離を繰り返すことで、物質と存在の創造・破壊が絶えず行われているとされる
  • 敵対する外なる神の派生。この過程で生まれた存在の一つとして、敵対的な外なる神ンギル=コラスが挙げられる。この名については書誌上の手がかりがある——デビルには「Nygr-Khorath」(1973年)、および綴りを改めたとみられる「Ngyr-Khorath」(2006年)という題の作品が実在する[1]。二柱そのものと違い、この存在は作品の題にまでなっている
  • クトゥルフ神話との関係。ラヴクラフトの体系と直接結びつくものではないが、同じ宇宙的恐怖というジャンルを共有する姉妹神話として並べて語られることがある

作者の立ち位置は、書誌からも見える。デビルは1975年、アーカム・ハウスのアンソロジー『Nameless Places』(編ジェラルド・W・ペイジ)に作品を寄せている[4]。同じ巻には、アイホートを生んだラムジー・キャンベル、地を穿つ魔を生んだブライアン・ラムレイ、イダ=ヤーを生んだリン・カーターが並ぶ[4]。デビルは、この世代の書き手の一人として神話の周辺にいた。独自体系を構えつつ、発表の場は同じだったということになる。

TRPGでの扱い

クトゥルフ神話TRPGの公式資料が二柱をどう扱っているかを示す記述は、当サイトでは確認していない。

登場作品一覧

二柱が登場する個別の作品を、当サイトは特定できていない[1][5]。参考として、書誌で確認できた作者の作品のうち、体系との関係が語られるものを挙げる。

作品 年 確認の状態
Nygr-Khorath 1973 敵対存在ンギル=コラスと同名。書誌のみ確認[1]
Where Yidhra Walks 1976 イドラーが名を冠する中編。書誌のみ確認[1]
Ngyr-Khorath 2006 上記1973年作と綴りの異なる同名作。書誌のみ確認[1]
The Black Sutra(短編集) 2006 デビルの短編集。ロバート・M・プライス序文[1][2]

関連神格・地域・書物

神格・種族

  • アザトース — 通常のクトゥルフ神話で、二柱に相当するとされる位置づけの神格
  • イドラー — 同じ作者による神格。書誌で作品を特定できる点が二柱と異なる[1]
  • クトゥルフ — 本来のクトゥルフ神話の中心神格
  • ンギル=コラス — 二柱から生じたとされる敵対的な外なる神。同名の作品が1973年と2006年に実在する[1]。当サイトに個別記事はない

人物

  • ウォルター・C・デビル・ジュニア — 創造者。当サイトに個別記事はない

書物

  • 『Uralte Schrecken(古の恐怖)』 — 体系内の架空の書物とされる。出所は未特定[5]

分類の考え方

参考文献

  • [1] 書誌データベースISFDB、著者記録「Walter C. DeBill, Jr.」Author Record #16986(該当ページ)。45件ほどの作品が登録されており、「Predator」「Homecoming」「From the Sea」「Fragment from the Necronomicon」「The Lure of Leng」(いずれも1972年)、「Nygr-Khorath」「What Lurks Among the Dunes」(1973年)、「Perilous Legacy」「The Horror from Yith」(1974年)、「Where Yidhra Walks」(1976年)、「The Changeling」(2002年)、「Ngyr-Khorath」「The Black Sutra」(2006年)の各年を確認した。同記録を検索した範囲では「Mlandoth」「Mril」「Thorion」の語はいずれも0件で、登録シリーズは「Observers of the Unknown」1件のみだった(2026年9月15日確認)。ISFDBは利用者が編集する書誌データベースであり、当サイトでは刊行年・版元といった書誌事実に限って用いる。
  • [2] 書誌データベースISFDB「The Black Sutra」Title Record #1239065(該当ページ)。著者ウォルター・C・デビル・ジュニア、2006年9月30日、種別COLLECTION、発行Mythos Books、ISBN 0-9789911-1-7。同書にはロバート・M・プライスによる序文(Title Record #1239079)が付く。
  • [3] ラヴクラフト公式サイト hplovecraft.com の作品一覧(該当ページ)。ムランドス・ムリル・ソリオンの名も、デビルの作品も含まれないことを確認した(2026年9月15日確認)。
  • [4] 書誌データベースISFDB『Nameless Places』Publication Record #23385(該当ページ)。編者Gerald W. Page、1975年、発行Arkham House、ISBN 0-87054-073-4、本文viii+279ページ。寄稿者としてWalter C. DeBill, Jr.、Ramsey Campbell、Brian Lumley、Lin Carter らの名を確認した。
  • [5] 二柱の設定(対の関係、万物の根源、結合と分離の反復、体系内の書物『Uralte Schrecken』)についての記述は、当サイトが収集した二次的な要約に基づく。出所となる作品を特定できていない。デビル作品の本文も照合していない。作品名とページを示せる資料が得られた時点で書き直す。
  • [6] 書誌データベースISFDB、シリーズ記録「Observers of the Unknown」Series Record #56489(該当ページ)。Alan Gullette「The Shadow from Yith」(1973年)、Walter C. DeBill, Jr.「The Horror from Yith」(1974年)、Ted Pons「Beneath the Dunes」(1975年)、Walter C. DeBill, Jr.「The Changeling」(2002年)の4編で構成される複数作家の連作であることを確認した(2026年9月15日確認)。

FAQ

Q. ムランドスとムリル・ソリオンはラヴクラフトの原典に登場しますか。 A. いいえ。ラヴクラフト公式サイトの作品一覧にも、この名はありません[3]。ウォルター・C・デビル・ジュニアが自作の中で置いたとされる存在です[5]。

Q. どの作品を読めば二柱に会えますか。 A. 当サイトは示せません。作者の作品は書誌で45件ほど追えますが、二柱の名を題に含む作品も、その名のシリーズ登録もありませんでした[1]。設定を伝える資料はあるものの、出所の作品を特定できていないため、読者に案内できる具体的な一冊がない状態です[5]。

Q. 「ムランドス・サイクル」はクトゥルフ神話の一部なのですか。 A. 別に構えられた体系だと説明されます[5]。ただしこの呼び名自体、書誌データベースには登録がなく[1]、作者自身の総称なのか後年の整理なのかを当サイトは判断できていません。

Q. ンギル=コラスだけ扱いが違うのはなぜですか。 A. この名だけは書誌上の手がかりがあるためです。デビルには「Nygr-Khorath」(1973年)と「Ngyr-Khorath」(2006年)という題の作品が実在します[1]。二柱と違い、作品の題にまでなっている点で裏づけの段が一つ上です。

この記事だけでは物足りない方へ
この記事だけでは物足りない方へ
初めての方への紹介書籍 表紙
初めての方へ

固有名詞を覚えるのがまだ大変なら、神格・怪物をイラストと生息地図でやさしく紹介するこちらから。

『クトゥルフ神話生物解剖図鑑』をAmazonで見る ↗
もっと詳しく知りたい方への紹介書籍 表紙
もっと詳しく知りたい方へ

神格・用語を横断的に調べたいなら、東雅夫による定番の事典が一冊で頼りになります。

『クトゥルー神話大事典』をAmazonで見る ↗

※上記は広告リンク(アフィリエイト)です。

続きを辿る

隣の棚

記事URLをコピーしました