編集部注(拡張神話): 本記事が扱うイゴロナクは、H・P・ラヴクラフト存命期のパブリックドメイン原典には登場しません。ラムジー・キャンベル「コールド・プリント」(1969年)で創造された、後年の拡張神話に属する存在です。同作は現時点でパブリックドメインではないため、本記事は原文からの引用を行わず、公知の設定情報の要約のみで構成しています。
概要
イギリスのモダンホラー作家ラムジー・キャンベルが創造した旧支配者。頭部を持たない巨大な人型の姿で、両の掌に濡れた赤い口を持つという異形の外見で知られる。その名を口にする、あるいは姿を見るだけで正気を失うとされ、堕落や倒錯を誘う象徴的な存在として描かれる。
基本プロフィール
- 分類: 旧支配者
- 欧文表記: Y’GOLONAC
- 初出: ラムジー・キャンベル「コールド・プリント」(1969年)
- 象徴するテーマ: 堕落、倒錯、禁断の書物を介した感染的な恐怖
- 位置: 明確な封印地は定まっておらず、信奉者や書物を媒介として顕現するとされる
性質と権能
頭部のない胴体に、両掌に生えた濡れた赤い口が特徴とされる異形の姿を持つ。名を呼ぶ、あるいは特定の禁断の書物を読むことで顕現し、接触した者を精神的な堕落・狂気へ誘うという、他の多くの旧支配者とは異なる「感染的」な恐怖の演出が特徴とされる。「コールド・プリント」というタイトル自体が、印刷された文字(禁書)を介して恐怖が伝播するというテーマを示唆しているとされる。
基本設定
いくつかの後年の紹介では、禁書ネクロノミコンの特定の版・記述を介してイゴロナクの名や存在が伝えられるという設定が言及されることがあるが、これはキャンベル以降の作品群における拡張であり、ラヴクラフト自身のネクロノミコン(この記事の主題ではなく、当サイトのnecronomicon記事で扱う原典設定)にこの繋がりが明記されているわけではない。
後世の展開
その性的・倒錯的なテーマの直接性から、クトゥルフ神話における「タブーに触れる」タイプの旧支配者の代表例として言及されることが多い。本記事執筆時点でこれらの後年の扱いを網羅的に裏付ける一次資料は未確認であり、確度の高い一般的傾向として記載するにとどめる。





