概要
『The Ballad of Black Tom』は、ヴィクター・ラヴァルによる2016年発表のノヴェラで、Tor.comより刊行された。1920年代のハーレムを舞台に、ブルース奏者を装いオカルト書物の密売で生計を立てる黒人青年チャールズ・トーマス・テスターを主人公とする。
クトゥルフ神話との関係
本作はH・P・ラヴクラフトの短編「レッド・フックの恐怖」を、黒人の視点から語り直した作品である。原作には登場しなかったクトゥルフを物語に持ち込み、「眠れる王」の目覚めをめぐる展開へと発展させている。
独自の要素・原典との違い
ラヴクラフトの原作が抱える人種差別的な描写を踏まえた上で、その神話体系そのものへの敬意と批評を同居させている点が特徴。2016年のNPR年間ベストブックに選出されたほか、シャーリイ・ジャクスン賞と英国幻想文学大賞を受賞し、ヒューゴー賞・ネビュラ賞など主要賞の候補にもなった。