ゲーム — The Sinking City

The Sinking City

旧支配者の影が忍び寄る架空都市を舞台にした、2019年のオープンワールド探偵アドベンチャー。

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概要

『The Sinking City』は、水に沈みつつある都市を舞台にしたオープンワールドの捜査アドベンチャーである。Steam公式ストアページによれば、開発・発売元はともに Frogwares[1]。

公式紹介文は、本作をこう説明する[1]。

『The Sinking City』は、ホラーの巨匠H・P・ラヴクラフトの作品群にインスパイアされたオープンワールドを舞台にした、アドベンチャー&捜査ゲームです。半ば沈んだ都市 オークモント を襲う超自然的な力。あなたは私立探偵として、都市を覆っているものの正体と、住人たちの心の中の真実を突き止めなければなりません。

神話を題材にしたオープンワールドは少ない。当サイトが調べた範囲では、ほかの作品はいずれも区切られた舞台——基地、屋敷、ダンジョン、海域——を採っている[2]。

基本情報

Steam公式ストアページの記載による[1]。現在配信されているのは The Sinking City Remastered である。

項目 内容
開発・発売元 Frogwares
Steam版の配信日表示 2021年2月26日
ジャンル アクション / アドベンチャー
対応プラットフォーム Windows
対応言語 日本語あり
Steam実績 28
価格(Steam日本) 1,059円
Metacritic 71

日本語に対応している[1]。

リマスターで何が変わったか

公式が「リマスターのハイライト」として挙げるのは、次の項目である[1]。

  • Lumenグローバルイルミネーションとレイトレーシング
  • 4Kテクスチャと追加された環境ディテール
  • FSR、DLSS、フレーム生成への対応
  • HDR、フォトモード
  • 操作、戦闘、ゲームバランス、NPCの群衆、チュートリアルの改善

公式は冒頭で「Unreal Engine 5によるリマスターで不気味な雰囲気に命が吹き込まれ、ビジュアルもさらに洗練されて機能も強化されています」と書く[1]。

絵だけでなく、操作・戦闘・バランスにも手が入っていると明記されている点は、購入判断に関わる[1]。

クトゥルフ神話との関係

私立探偵という立場

本作の主人公は 私立探偵 である[1]。この配置は、2018年の『Call of Cthulhu』(私立探偵ピアース)と共通する[2]。

調べることが職業である人物を置く——神話を扱うゲームがよく採る形である。知ってはいけないものに近づく理由を、動機の側で説明しなくて済むからである。

水没する都市

公式が挙げる探索手段は「徒歩で、船で、あるいはダイビングスーツで」である[1]。街が水に浸かっているため、移動そのものが立体的になる。

水没した街、深海、そして人の姿をしていないもの——これらはラヴクラフト原典が繰り返し扱った領域である。当サイトの深きものの記事で扱う主題と重なる。

正気を保つ

公式が挙げるゲームの軸のひとつに、「狂気の奥に隠された真実を解き明かすため、正気を保ちましょう」 がある[1]。

TRPG『クトゥルフの呼び声』以来の正気度の発想が、ここでも使われている。

Frogwaresという探偵ゲームの作り手

本作の開発元Frogwaresは、神話ゲームを単発で作った会社ではない。Steam公式ストアページで確認できるだけでも、シャーロック・ホームズものを継続して作っている[4]。

作品 開発・発売元 配信 Metacritic
Sherlock Holmes Chapter One Frogwares 2021年11月15日 77
Sherlock Holmes The Awakened Frogwares 2023年4月11日 表示なし
The Sinking City(本作) Frogwares — 71
The Sinking City 2 Frogwares 2026年8月18日 表示なし

注目すべきは『Sherlock Holmes The Awakened』である。Steam公式の紹介文はこう書く[4]。

心を蝕む ラヴクラフト的冒険 の体験が、現代グラフィックとゲームプレイで蘇る。シャーロック・ホームズとなって恐ろしい クトゥルフ神話の世界 に飛び込み、ヨーロッパとアメリカで巻き起こる失踪事件を捜査しよう。

同じ開発元が、ホームズを神話の世界へ送り込む作品も作っている[4]。本作の主人公が私立探偵であることは、この会社にとって自然な選択だったことになる。

捜査の技法と宇宙的恐怖は、相性がよい。手がかりを集めて推論を組み立てる過程が、そのまま「知ってはいけないことに近づく過程」になるからである。Frogwaresの作品群は、その相性を繰り返し試している。

層としてはどこか

当サイトの神話の三層でいえば、本作は原典(第1層)でも拡張(第2層)でもない、2010年代以降のゲームによる翻案にあたる。公式が使う表現も「ラヴクラフトの作品群にインスパイアされた」であって、特定の作品の翻案ではない[1]。

遊びの設計

公式が挙げる「ゲームの軸」は、次のとおりである[1]。

  • H・P・ラヴクラフトの世界にインスパイアされた重苦しい雰囲気とストーリー
  • 徒歩で、船で、あるいはダイビングスーツで探検できる広大なオープンワールド
  • オープンな捜査システム。それぞれの事件の解決方法はいくつもあり、行動によってエンディングが変化する
  • 悪夢のような怪物を倒すための、1920年代のさまざまな武器
  • 狂気の奥に隠された真実を解き明かすため、正気を保つ

「解決方法がいくつもある」という設計が、本作を単線の物語から分けている[1]。捜査の結論をプレイヤーが決める形になっている。

動作環境は重い

最低動作環境は、Windows 10 Pro 64bit、Intel Core i7-7700(3.60GHz)、メモリ16GB、GeForce GTX 1070 Ti、DirectX 12、ストレージ50GB[1]。

当サイトが調べた神話系タイトルの中で、最も要求が高い[2]。

作品 最低メモリ ストレージ
The Sinking City Remastered 16GB 50GB
Call of Cthulhu (2018) 8GB —
Moons of Madness 4GB 15GB
Conarium 6GB 8GB
恐怖の世界 1GB 500MB

Unreal Engine 5によるリマスターであることが、この数字に出ている[1]。遊ぶ前に手元の機材を確認したほうがよい。

評価

数字は Steam公式のレビュー集計と、ストアページに載るMetacriticスコア による[1][3]。ここに書く以外の点数は当サイトでは扱わない。

指標 数値
Steamのレビュー評価 やや好評(Mostly Positive)
レビュー総数 5,695件
肯定的 4,294件
否定的 1,401件
Metacriticスコア 71[1]

肯定率は約75%である。

作品 Steam評価 肯定率 Metacritic
The Sinking City 2 非常に好評 83% 表示なし
Call of Cthulhu (2018) やや好評 79% 表示なし
Conarium やや好評 77% 71
The Sinking City やや好評 75% 71
Dark Corners of the Earth 賛否両論 68% 76

続編のほうが高い評価を得ている[2]。詳しくは『The Sinking City 2』の記事を参照してほしい。

どんな人に向くか

  • 日本語で遊べる神話系オープンワールドを探している人[1]
  • 事件の解き方を自分で決めたい人。公式が「解決方法はいくつもある」と明記している[1]
  • 1920年代の街を歩き回りたい人
  • 逆に、動作環境の要求が高い。メモリ16GB・ストレージ50GBが最低要件である[1]

より軽い神話ゲームなら『恐怖の世界』や『Cultist Simulator』がある。全体の見取り図はクトゥルフ神話ゲーム総覧にまとめてある。

関連記事

出典

  • [1] Steam公式ストアページ『The Sinking City Remastered』(appid 750130、該当ページ)。Steam公式のappdetails API(store.steampowered.com/api/appdetails?appids=750130&l=japanese&cc=jp)で取得した内容を確認した。開発・発売元 Frogwares、ストアページの配信日表示2021年2月26日、ジャンル「アクション/アドベンチャー」、対応プラットフォーム Windows、対応言語に日本語を含む、Steam実績28、Steam日本価格1,059円。紹介文の「『The Sinking City』のラヴクラフトの宇宙的恐怖を新たな視点から体験しましょう。Unreal Engine 5によるリマスターで不気味な雰囲気に命が吹き込まれ、ビジュアルもさらに洗練されて機能も強化されています」「リマスターのハイライト:Lumenグローバル イルミネーションとレイトレーシング/4Kテクスチャと追加された環境ディテール/FSR、DLSS、フレーム生成対応/HDR、フォトモード/操作、戦闘、ゲームバランス、NPCの群衆、チュートリアルの改善」「半ば沈んだ都市オークモントを襲う超自然的な力。あなたは私立探偵として〜」「徒歩で、船で、あるいはダイビングスーツで探検できる広大なオープンワールド」「オープンな捜査システムにより、何度でもプレイが楽しめます。それぞれの事件の解決方法はいくつもあり、行動によってエンディングが変化します」「狂気の奥に隠された真実を解き明かすため、正気を保ちましょう」、および最低動作環境(Windows 10 Pro 64-bit / Intel Core i7-7700, 3.60GHz / 16 GB RAM / NVIDIA GeForce GTX 1070 Ti / DirectX 12 / 50 GB)。Metacriticスコア71(2026年9月16日確認)。 ↩
  • [2] Steam公式ストアページおよびレビュー集計。『The Sinking City 2』(appid 2825860、Very Positive、1,725件・肯定1,427件、Metacritic表示なし)、『Call of Cthulhu』(appid 399810、Mostly Positive、13,917件・肯定11,029件、最低メモリ8GB)、『Conarium』(appid 313780、Metacritic 71、Mostly Positive、2,275件・肯定1,750件、最低メモリ6GB・ストレージ8GB)、『Call of Cthulhu®: Dark Corners of the Earth』(appid 22340、Metacritic 76、Mixed、3,368件・肯定2,276件)、『Moons of Madness』(appid 1012840、最低メモリ4GB・ストレージ15GB)、『恐怖の世界/WORLD OF HORROR』(appid 913740、最低メモリ1GB・ストレージ500MB)。肯定率は当サイトが肯定件数÷総数で算出した(2026年9月16日確認)。 ↩
  • [3] Steam公式のレビュー集計API(store.steampowered.com/appreviews/750130?json=1&language=all&purchase_type=all)。レビュー評価「Mostly Positive」、総数5,695件(肯定4,294件/否定1,401件)(2026年9月16日確認)。 ↩
  • [4] Steam公式ストアページ。『Sherlock Holmes Chapter One』(appid 1137300、開発・発売元 Frogwares、配信2021年11月15日、日本語対応あり、Metacritic 77)、『Sherlock Holmes The Awakened』(appid 1949030、開発・発売元 Frogwares、配信2023年4月11日、日本語対応あり、Metacritic表示なし)。後者の紹介文「心を蝕むラヴクラフト的冒険の体験が、現代グラフィックとゲームプレイで蘇る。シャーロック・ホームズとなって恐ろしいクトゥルフ神話の世界に飛び込み、ヨーロッパとアメリカで巻き起こる失踪事件を捜査しよう。」を確認した(2026年9月16日確認)。 ↩

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