概要
『The Sinking City』は、ウクライナのFrogwaresが開発したオープンワールド探偵アドベンチャーです。1920年代のマサチューセッツ州を思わせる架空都市オークモントを舞台に、私立探偵となったプレイヤーが度重なる洪水と住民の失踪の謎を追います。PC・PlayStation・Xbox・Switchなど幅広いプラットフォームで展開され、日本語表示にも対応しています。
クトゥルフ神話との関係
オークモントの地下には旧支配者に連なる存在が眠っており、住民の一部は深きものどもとの混血が進行しています。プレイヤーは現場の証拠を集め、手がかりを推理ボード上で結びつけて真相に迫るという、原典の「調査を通じて禁忌の知識に近づく」構造をそのままゲームメカニクスに落とし込んでいます。捜査の過程で主人公自身の正気度も蝕まれていき、幻覚や妄想が挿入される点も原典的です。
独自の要素・原典との違い
本作の特徴は、手がかりの結びつけ方をプレイヤー自身の判断に委ねる「推理は自己責任」の設計にある点です。誤った結論を選んでも物語は進行し、複数のエンディングに分岐します。また探索パートの評判は高い一方で、戦闘パートの手応えの乏しさと敵の反復出現が繰り返し批判されており、簡易平均評価はSteam・Metacriticを合わせて6.8/10程度にとどまります。雰囲気・捜査・道徳的選択という核の部分は支持されつつも、「戦闘が探偵ものの緊張感を薄める」というコズミックホラー翻案にありがちな課題を抱えた作品でもあります。


