眷属種族 — STAR-SPAWN OF CTHULHU

クトゥルフの落し子

原典

クトゥルフに連なる、タコに似た姿をした陸生の眷属種族。単一の神格ではなく集合的なカテゴリで、原典より後世のTRPG設定の方が造形が詳細。

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クトゥルフの落し子

「タコに似た姿をした、人類以前の陸生の種族」

— H. P. Lovecraft「狂気の山脈にて」(1931年執筆/1936年発表)

編集部注(著作権について): 出典の『狂気の山脈にて』は、Astounding Stories誌掲載号の著作権が更新されているため(Catalog of Copyright Entries登録番号R309944)、2032年まで米国で著作権が継続しています(パブリックドメインではありません)。本記事中の引用は論評・紹介目的の短い範囲に限定しています。

概要

クトゥルフの落し子(Star-spawn of Cthulhu)は、単一の神格ではなく、クトゥルフに連なる眷属・種族を指す集合的なカテゴリである。原典「狂気の山脈にて」では「タコに似た姿をした、おそらくクトゥルフの伝説的な、人類以前の落とし子に相当する陸生の種族」と表現され、クトゥルフが海中に封印される以前は陸地に自らの都市を築いていたとされる。

基本プロフィール

  • 分類: 眷属種族(単一の個体ではなく種族カテゴリ)
  • 欧文表記: STAR-SPAWN OF CTHULHU
  • 初出: 「狂気の山脈にて」(1931年執筆、《ウィアード・テイルズ》誌には長さを理由に掲載を拒否され、《アスタウンディング・ストーリーズ》誌1936年2〜4月号に連載)
  • 語り手: ミスカトニック大学の地質学者ウィリアム・ダイアーによる、南極探検の惨劇の回想
  • 本来の生態: 陸生。クトゥルフの海中封印以前は乾いた陸地に都市を築いていた

別名/呼称

ファンWikiの用語集では、この種族全体を指す呼び名として「クトゥルヒ(the Cthulhi)」という総称が用いられ、これとは別に「コズミック・オクトパイ(宇宙のタコ)」「クトゥルフの落し子」「ゾティア人(Xothians)」といった複数の異名が併記されている。ただし「Star-spawn of Cthulhu」という呼称そのものをラヴクラフトが正式名として用いていたわけではなく、彼の記述はクトゥルフを「旧支配者(Old Ones)」と呼ばれる異星種族の一員として位置づけているにとどまる、という指摘もファンの間である。

区分

原典に明確な分類の記述はなく、あくまでクトゥルフに連なる眷属・従者種族として扱われる。後世のTRPG設定(GURPS『Cthulhu Punk』)では、クトゥルフに従ってルルイエ建設に加わった従者であり、その王の縮小版のような姿をしていると説明されている。

象徴・モチーフ

太古の陸生文明、クトゥルフへの隷従、地質学的・先史学的な畏怖(南極という未踏の大地に眠る痕跡として描かれる)。

性質・権能

  • ケイオシアム社のクトゥルフ神話TRPG公式コンペンディウムでは「眠れる者の総督(Satraps of the sleeper)」の異名を持ち、STR350・CON260・SIZ525・DEX50・INT105・POW105、HP78、ダメージボーナス10d6、Build11、マジックポイント21、Move15という能力値が定められている(後世のゲーム設定)
  • GURPS『Cthulhu Punk』(114ページ)では、鉤爪(切断11d)または触手(1d本、各圧砕5d)で攻撃し、1ターンごとにHPを1点回復する再生能力を持つとされる。大半はクトゥルフとともに沈んだルルイエに閉じ込められたままだが、一部は深海の海溝や地球外の惑星で生存している可能性もあるという(後世のゲーム設定)
  • Paizo社のPathfinder RPG(コズミックホラー路線「Dark Tapestry」)では、人型のシルエットに煮えたぎるようなゴム質の肉体、竜を思わせる翼、鉤爪の手、触手状の顔を持ち、最小の個体でも身長約30フィートに達する存在として翻案されている。悪夢を通じて終末を待望するカルトの種をまき、恒星の並びが整うのを待って行動を起こすとされる(後世のゲーム設定)

関係図

クトゥルフの眷属・従者として位置づけられ、その支配下にある。GURPS版の設定では、クトゥルフがルルイエを建設した際に共に降り立った従者とされる。Pathfinder版の舞台設定ゴラリオンでは、紀元4718年頃に亜位面「ラムロックの隠れ処」へ出現した記録も設定されている(いずれも後世の独自設定)。

主要登場作と読みどころ

  • 「狂気の山脈にて」(1931年執筆/1936年発表): 唯一の原典。ミスカトニック大学の南極探検隊が、太古の地底都市の遺跡とその建造者たる「古のもの」、さらにその奴隷であった落し子の痕跡に遭遇する。落し子そのものが直接登場するというより、遺跡の壁画・記録を通じて間接的に語られる点が特徴。
  • クトゥルフの呼び声』TRPG及びその派生ルールブック(GURPS『Cthulhu Punk』、Pathfinder『Dark Tapestry』)群では、原典の断片的な記述から独自にゲーム上の姿・能力値が肉付けされている。

よくある誤解

Q. クトゥルフの落し子は原典に詳しく描写されているのですか?

A. いいえ。原典「狂気の山脈にて」における記述は「タコに似た姿をした陸生の種族」という短い一節にとどまり、具体的な姿・能力・生態の大部分は後世のTRPG(クトゥルフの呼び声、GURPS、Pathfinderなど)がそれぞれ独自に肉付けしたものです。

Q. 「クトゥルフの落し子」は正式な種族名なのですか?

A. ラヴクラフト自身がこの呼称を正式名として用いた確証はなく、ファンやゲーム制作者の間で定着した呼び名です。ファンWikiでは「クトゥルヒ」「コズミック・オクトパイ」「ゾティア人」など複数の異名が併記されており、名称そのものが後世に整理されたものである点に注意が必要です。

Q. 呪文を使って人を攻撃する、といった設定は原典にあるのですか?

A. これは日本語圏のTRPGシナリオ制作者によるブログ記事に見られる二次的な解釈であり、公式のマレウス・モンストロルム設定に独自の肉付けを加えたものです。原典やTRPG公式ルールブックと同じ確度で扱うべきものではありません。

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